4日目 ページ14
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「なんや今日の治はえらい気合い入っとったなぁ?」
「えっ」
休憩中の先輩達が茶化すような、探るような、そんな感じの目で俺を見てそう言うた。
先輩達の言う通り、俺は
早朝から家の庭での練習に付き合うとった
先輩達に事実を伝えることに少々気恥しさを感じた俺は、「別になんもあらへん」言うて濁すが、自分の片割れが口を挟んできた。
俺は黙っとけの意味を込めて睨みをきかすが、奴の口はペラペラペラペラと動く動く。
「フッフ、
(ほんまにコイツ全部包み隠さへんで言いよった……!!)
余程今日長々と俺の自己満足の練習に付き合わせたこと恨んどったのやろう。せやけどそうせえへんと俺の気ぃ済まへんかったんやもん。
(だって……!!好きな子とのデートの前日やで!!??落ち着いてられるわけあらへんやんか……!!!!)
溢れ出す想いから目ぇ背ける為に励んどったことも、全部無意味になってもうた。たった今。自分の片割れのせいで。
「はあぁ……」
「え、治に好きな子がおるん!?」
「誰やそのラッキーガール!!」
「てか治も人のこと好きになるんやな〜」
片割れへのどうしようもない怒りを重いため息にしてえずき出す俺とは対照的に、先輩達は女子高生か???思うほどのテンションで俺の恋事情に興味津々のようやった。
てか俺かて人くらい好きになるし。今までまともな奴に会うたこと無かっただけや。
もうこれ以上いらんこと言うなと念を込めて
「先輩達も知ってるんやありません?ほら、あの高嶺の花って呼ばれてる子!!」
先輩達は知ってる人物て聞いて更に盛り上がる。あ〜あの子な!やら名前知らんけど可愛いよな〜やら。
やっぱ人気なんやなと嫉妬する反面、そんな子とデートするちゅう事実が何よりも俺を優越感に浸らせる。
そんな俺の耳に、この1週間で聞きなれた名前。
「え、治とAがデートするん!?」
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クロイルカ - 渚さん» わかるきになります (2022年10月8日 8時) (レス) @page21 id: dc34629a9d (このIDを非表示/違反報告)
渚(プロフ) - 結局角名と夢主との関係ってなんだったんですか? (2022年9月13日 22時) (レス) @page15 id: 4b6b08afa8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ロイミー | 作成日時:2020年10月25日 12時