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4時限目の終わりを知らせるチャイムが鳴り、今すぐにAさんのもとに駆けていきたいと思う気持ちを必死に抑えて号令を終える。




「あ、治。お前今日日直やろ?これ教材室まで運んどいてや」




「……は!?」






財布を取り出して、今すぐ出ていこうとしたその瞬間。教師のありえない言葉に口をあんぐりと開けた。



命よりも大事な用事があるから無理やと言う前に、教師はじゃあ頼んだぞとそそくさと教室を去っていく。その背中に怨念を込めつつ、教卓に隙間なく置かれている教材をどないしよ、と見つめる。








(あかん、Aさんに言わな………いや、パッと行って戻ってダッシュで行けば間に合うよな?)








イケるイケる。現役バレー部レギュラー舐めんなやと自分を鼓舞して腕に教材を抱える。見た目ほど重くはなかったから、なんとか走れるだろう。









(よし、待っててや、Aさん!)









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Aside



(……治くん、遅いなぁ)





スマホも教室の時計も、すでに昼休みを知らせるチャイムが鳴ってから10分ほど経っている。何度かスマホの電源を入れたり切ったりしてみたが、時間が変わることは無かった。




はぁ、とため息を零して机に項垂れる。




連絡を取ろうとしてみても、なんと連絡先を知らないとこに気づいた。今日会ったら真っ先に連絡先聞かな、と朧気に考える。






もしかして、私が忘れとっただけだけで昨日とかに明日は無理とか言ってたんかな……?



それか、今日お休みしてるんかな?




色々考えてみても、皆目見当がつかない。

もうこれは、治くんの教室へ行って彼のクラスメイトに事情を聞いた方が早そう。





そうと決まれば、と自分のお弁当を持って、足早に1組の教室へ向かう。





さほど距離のない廊下を通り、1組の教室を覗き込もうとする。が、前を見ていなくて人にぶつかってしまった。



「ごめんなさっ……い」

「…………俺は平気だけど」



ぶつかったその人は、私と頑なに目を合わせようとしない。そう気づいてしまって、溢れそうな涙を堪えていれば、彼が「そっちは?」と声をかけてくれた。



「あ、私も大丈夫…!ありが、とう」



かなりぎこちない“ありがとう”になってしまった。しかし琴線に触れたのか、彼はくす、と上品に笑う。




「……あの、お………角名…くん!」

「…………ん、何?」




立ち去ろうとした彼を引き止めるが、あまりいい顔をされなくて少し悲しくなった。

▽→←3日目



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クロイルカ - 渚さん» わかるきになります (2022年10月8日 8時) (レス) @page21 id: dc34629a9d (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 結局角名と夢主との関係ってなんだったんですか? (2022年9月13日 22時) (レス) @page15 id: 4b6b08afa8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ロイミー | 作成日時:2020年10月25日 12時

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