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fw「…ん！」
そのケーキは、口に入れた瞬間からほろほろと柔らかく崩れ、溶け、なくなる。そんな、儚くも素敵なケーキだった。
fw「甘ぁ…」
『あ、え…甘いの、苦手とか…』
fw「ないない〜、Aがくれるもんならなんでも好きよ？」
この人ったら、とんでもなく私たらしだ。
やられてばかりではいけないと、お昼にお出かけして買ったプレゼントを渡すことにする。寝室に隠しておいた物を取りに行き、不破さんがいるリビングへ戻った。
『…ふ、不破さん！』
fw「どしたんAって…え？」
私が持つ紙袋に目を丸くし、見つめる。まさか自分への物だとは思ってもいなかったようだ。
『これ…お昼に買ってきたんです。も、もちろん！明日の分は別で買ってあって…その…へ？』
fw「…！」
ぱっと顔を上げると、同じように顔を上げている不破さんの姿。なぜか抱きつかれていて、暖かくて。
fw「A…もう〜…ほんまにええ子すぎるんよ…」
私の肩に顔を埋め、震えた声でそう呟く。なんだか愛おしくて、そっと不破さんの頭を撫でた。
fw「…なんで。買ってくれたん？」
『はい、朝早く起きちゃって…テレビで特集をやってたものでしたから買いたくなっちゃいました』
ふにゃりと笑う私。ぽかんとした顔の不破さん。まだ、状況が飲み込めていないのだろうか。
fw「なん…会社のとか嘘言っとった…」
突然、しゅんとしだす不破さんを見て、私は少し慌ててしまった。そういえば、そのようなことを言った記憶が…。
『ぁ、あれは〜…。不破さんをびっくりさせたくて！』
fw「へぇ…、Aにはそんな技術あったんね〜」
ギロりこちらを覗いてくる不破さん、ちょっと怖いです。
fw「嘘言うなんて…なぁ？」
私の頬を包み、ジトっと目を見つめ、グイと顔を寄せ…。腰を軽く抱き寄せられ、身動きはあまりできず。
そろそろ限界だと、私はぎゅっと目を瞑る。その瞬間、不破さんがふっと微笑んだような気がした。
「ﾁｭ…」
と、小さなリップ音が鳴る。目を少し開けると、目の前には不破さんのお顔が…近くに。これ、は…？
fw「ん、お仕置」
語尾にハートがつきそうな甘い声で聞こえる。自分の唇に人差し指を当て、��しー��のポーズをする不破さん。あざといにもほどがある。
あのお仕置は苺のケーキのように甘く、いや…それよりも甘かったかもしれない。
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東雲ゆとり(プロフ) - りな様、コメントありがとうございます。初めて作らせていただいたものなので、ルールが曖昧でして…。オリジナル作品に✓入れなかったら大丈夫ですかね…？ (2022年8月27日 12時) (
レス) id: 50d5012479 (このIDを非表示/違反報告)
りな(プロフ) - オリジナルフラグ立ってますよ (2022年8月27日 9時) (レス) id: 9ad9333654 (このIDを非表示/違反報告)
東雲ゆとり(プロフ) - 感想だけでなく、ご指摘ご要望もどうぞお待ちしております。 (2022年8月5日 2時) (レス) id: 50d5012479 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：東雲ゆとり | 作成日時：2022年8月4日 5時
