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side S.S.
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明日は昼から撮影だし、ちょっとくらい…と思って夜遅くまで起きてたら遅刻しそうになっちゃった。
急いで着替えて、顔洗って、パンを口に詰め込んで。
スマホなんて見る余裕なくて、今日初めて確認したのは正午前のこと。
気づかなかったんだけど、三十分くらい前から着信が続いてたみたい。
かけてきてたのは大野さんで…なんかあったのかな、と思って急いでかけ直した。
『翔くん？』
「あ…ごめんね、どした？」
『全然いいよー』
口調がいつも通りでなんだか安心する。
『それで、ニノの事なんだけど…』
ドキッとした。
「えっ、何？」
『朝一緒だったんだけど、ニノ熱あって。薬飲んだから大丈夫だとか言ってたけど一応連絡しておこうと思って。ちょいちょい様子確認しといてほしいなーって』
「そっかそっか…分かった、連絡ありがとね。助かる」
『うん、俺も翔くん一緒だったら安心だ』
またねー、よろしくねー、なんて言って電話を切った。
「業務連絡ですか？」
「うん、まあ…あ、ごめん、何も言わずに」
「いえ、大丈夫ですよ」
車の中だったし、焦って電話していいか聞くの忘れてたな。
ニノの状況を把握しておこうって事で四人で連絡を回しているのが業務連絡。
本人は大丈夫だよ、なんて言ってるけど本当に何も言わないから。
みんな心配してるんだ、また一人でどうにかしようって思ってたら手遅れになる事があるかもしれない、って。
あ、手遅れって言っても、もしもの話だけど。
そんな事、起きないって信じてるけども。
つい最近の話なんだけど、収録終わってニノはさっさと帰っちゃったときの事。
「ね、これからはニノの様子みんなそれぞれ把握しておかない？」
相葉くんが言い出したんだ。
みんな最初は何言ってるか分からなかったけど、相葉くんはそのまま続けた。
「だからぁ、連絡回すの！今日は体調悪そうだったとか、そういうの！」
「それは…必要なのかな？」
松潤が聞き返して、俺も最初は必要性が感じられなくて。
「うん。ニノの事だし、心配される方が嫌だとか思うんじゃない？」
「でもさ、あんな事があってから俺、心配で…だから、会った時に顔色確認するとかだけでもいいんだよ」
「俺はいいと思うけど」
三人の中で真っ先に賛成したのは大野さんだった。
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作者名：美菜子 | 作成日時：2018年6月29日 23時
