【2bro】短編 (ページ23)

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溢れる……おついちさんページ23

日曜ライブも終わった頃、恒例になりつつあるある人との電話の時間。毎週、その時間が近づくとソワソワしながら今か今かと待っているのに、今日に限っては違う。

今日は無理だと、断りのメッセージが欲しいと思うほど今の私はメンタル面が弱っている。

「大人でも子供だから、吐き出し方を知らない」

「それは子供大人関係ないでしょ」

言うつもりもなかった本音も素直に受け止めてくれるこの人はネットで知り合ったとても博識の人。
当然、会ったことはない。

怖くて、会いたいなんて言えないけど今すごく人恋しくて会いたくてたまらない。

「今日はよく喋るね。何かあったの？」

ほらそうやって女受けの良さそうな優しく問いかけて、彼女がいるくせに。

だめだ、今日は何もかもが腹立たしくなる。

だから早く切ろうと眠いだけって答えたのに。
おついちさんは優しい、絶対なにかあったって引いてくれない。
こんなんじゃ勘違いしちゃうよ。

「……俺には言えないようなことでもあったの？」

「……」

こういう時の俺って一人称にとことん弱いなぁ。ものすごく心臓が鷲掴みされて痛いったらありゃしない。

「……何もないことないけど、言葉にできないときってある」

「……結構仲良くなれたと思ったんだけどなぁ。俺寂しい」

「ふふ、嘘つきさん」