【2bro】短編 (ページ20)

今日:9 hit、昨日:3 hit、合計:43,156 hit

3 ページ20

大胆不敵、ワンコ系弟者さんは猫派だ。
それは私しか知らないギャップだと思ってたのに、今日の2BRORADIOで全国に知れ渡った。

「……」

そう、たったそれだけ。
別に私しか知らないからって損得も何もない。だからこんなに嫉妬心を感じる必要も、喪失感を感じる必要もないのに。
なんだろう。自分の気持ちなのに私自身、よくわからない。

とりあえず気持ちを落ち着かせようと、ネットウィンドウを閉じて部屋の片隅に膝を抱えて座る。
私の部屋ならどんなに無音にしようとしても必ず聞こえてくるあの音が、弟者さんの部屋はデジタル時計なので聞こえてこない。
酷く冷たい部屋だと、こんな時に思いたくなかった。

どれくらい時間が経っただろう。
気づけば涙を流し、しゃくりまであげていた。

弟者さんに見られたら面倒な女だと思われる。それはとても嫌だからと、急いで拭くのに一向に止まってはくれず、逆に溢れる量は増し、過呼吸まで起こし始めた。

ドアの開く音と弟者さん、兄者さんの帰宅を告げる声がする。こんな顔じゃ出ていけない。
何とか電気を消し声も殺し、見つかるまでには落ち着くように努める。

「うわあああぁぁぁあああああ！！！！！」

真っ暗な部屋で丸まっていれば当然驚くとわかっていたのに。
弟者さんの反応で止まりかけていた涙が再び溢れだす。
ああ、見せたくなかったのに、止まらないのならしょうがない。

何も言わず激しく泣く私を、弟者さんは慌てながらも抱きしめてくれる腕の中が酷く安心する。

「そろそろ……手止めてもいい？血が出るよ」