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2…弟者さんside-2 ページ19

「難しい顔してるから反応遅れるんだよ」
「俺だって考えるときくらいあるよ!!」
「そうだよなあ、あのAちゃんが男に抱かれて帰ってきたもんなあ?」

厭らしい笑みで嫌なことを言う兄者を一睨みしておついちさんの家まで車を走らせる。
道中は馬鹿みたいに静かで、相変わらず兄者は変なところで気を使うなあ。なんて思いながら俺も黙った。

「まあ、自信持てよ」

車を降りる間際、いつも以上に真剣な顔で捨て台詞のようにそう言って先に行く兄者を、心の中で感謝した。

収録を終え、別れの挨拶もそこそこに家へ帰る。
少し急ぎ気味に家へ帰ろうとする俺を見て、おついちさんがいじらないわけもなく。
散々羨ましいとお幸せにを連呼されて漸く帰路につく。

「ただいま」
「ただいまー!!」

待ち望んだ相手が一向に出てこない。
遅れるとか言ってなかったような気がするんだけどなあ。とiPhoneを確認するけどやっぱり送れるメールも何も来ていない。
Aが何も言わずに出かけることは今までに一度もなく、怪訝に思いながらも荷物を置こうと兄者と別れ自室へと向かった。

「うわあああぁぁぁあああああ!!!!!」

部屋に入ってすぐ目に入ったのは黒い塊から覗く目。
当然ビビリの俺は盛大に叫んでしまう。

「どうした弟者!!」
「あの!うん!!だ、大丈夫だから!!」

目の前の状況が理解できなくて、動揺が隠せなてないのに兄者を自室から遠ざけようとするから兄者も気になって必死。結果現状カオスな中、俺はとにかくようやっと見つけたAを落ち着かせたくて一言だけ、Aを見つけた!とだけ叫んであっちへ帰ってもらった。

「……」

さっきの状況より分からないのは、Aの泣いている理由だ。

膝を抱え、どこか子供の様に丸まって静かに泣くAを俺はどうしたらいいのかわからずただ後ろから抱きしめ部屋を見渡す。
朝となんら変わらない俺の部屋。唯一違うところがあるとすれば、恐らく今日の2BRO
RADIOを見ていたであろう電源がつけられた状態で開かれたパソコン。
それだけでは何故Aが泣いているのかわからない。

俺はAから話してくれるまで後ろから抱きしめ続けた。

3→←傷……弟者さん……弟者さんside



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作者名:nnanjokei | 作成日時:2018年4月4日 15時

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