あなたを守る騎士になりたい ページ41
行き帰りに悪質なファンに絡まれることは珍しいことではない。
誰かと一緒にいればあぁいう子たちは目当てに嫌われることを怖がって近寄ってこないし、一人でいる時でも言い返さなきゃそれで終わるし。
我慢すればいい。何年もそれで切り抜けてきたから
数年前、湧が助けてくれた時。嬉しかったしホッとした。でもそれが裏目に出て、怪我をさせられた。
怪我なんて大したことなかったけど、あの時の湧の悲しそうな顔が忘れられない。
湧にそんな顔させたかったわけじゃないのにね
湧に、みんなにこれ以上迷惑かけたくないから、何かあったら事務所が守ってくれるし、心配しないでねって言ってたのに。
深田「…Aちゃんは、俺が守るから。絶対」
深田は違った。
深田は何も知らない上で、純粋にそう言ってくれてるのかな?って思ったら正直嬉しかったんだ。
深田「Aちゃん一緒に帰りましょ!」
「あ、うん」
あれから深田はわたしが1人で帰ろうとするのを見掛けたら絶対一緒に帰ろうって誘ってくるようになったし、悠仁や弟組と帰るのを見掛けると「悠仁、Aちゃんのことよろしくな!」って悠仁に声を掛けている。
深田「Aちゃん何線ですか?」
「あ、わたしこっちだよ。深田あっちだよね?また明日、」
深田「…いやいやいやいや、送ります!」
「いやダメだよ、さすがに深田帰るの遅くなっちゃうし、」
深田「送ります!…俺言ったじゃないっすか、Aちゃんのこと守るって」
「…でも、」
深田「俺が入る前になにがあったのか分からないけど、俺は、ちゃんと守りたいっす。手を出されたとさたら俺が盾になるし、汚い言葉を浴びせられそうになったら俺が耳を塞いであげます」
「深田、」
深田「だからAちゃんは大人しく俺に守られてください(笑)」
さ、行きましょって言いながら左手に感じる温度。見上げると耳まで真っ赤にした深田の横顔が見えた。
ヘラヘラしてるくせに、かっこつけちゃって。
「、年下のくせに」
ドキドキと弾む胸の音が、どうか深田に聞こえないようにと願いながら握られた左手に力を込めた。
@あなたを守る騎士になりたい
(終電ある?大丈夫?)
(多分ギリありま…す)
(そう?なかったら泊まって行けば?)
(どぅえ!?!?!?)
(…悠仁の家に)
(俺のドキドキ返してください)
(ふははwww)
こせりゅせのターンのはずがりゅせのターンになってしまいました
ひやまくんsideのお話はツイッターにあげます(多分)
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作者名:k. | 作成日時:2020年9月12日 18時