騎馬戦 ページ9
何この状況...
交渉タイムになった瞬間、いっぱい人来たんだけど。まぁ、私の"個性"なら組みたがる人は多いか。
｢あ、いやゴメン。私デクと組むか｣
｢おいA｣
振り返ると、かっちゃんが切島くんと瀬呂くんを引き連れていた。
｢か、かっちゃん？｣
｢テメェ、俺と組めや｣
｢かっちゃんと...？｣
戸惑ってしまった。
まさか、かっちゃんが誘いに来るなんて......けど、
｢...ごめん。私デクと組むつもりだから｣
｢俺じゃ文句あるってのかよ？クソデクの方がいいんか？？｣
｢俺からも頼む万能！お前が居りゃ怖いもん無しだ！｣
｢えー...｣
私は返答に困り、ちらりとデクのいる方を見てみると、麗日さんと...誰？見た感じサポート科？
明らかに皆に避けられてたから入ろうかと思ったけど、あれなら大丈夫かな？
うーん。まぁ...
｢...いいよ。デクの事だから大丈夫とは思うし。デクやかっちゃん以外の人と組もうとは最初から考えて無かったからね。
そのかわり...
私の事、上手く使ってね？かっちゃん｣
私が意地悪そうに言うと、
｢ハッ 上等だ。使い殺したるわ｣
これまた凶悪な顔で笑った。
一方、緑谷たちの方はというと、
｢...デクくん良いの？Aちゃん。爆豪くんとこっぽいけど｣
｢うん、いいんだ。...それに、Aちゃんが僕のとこ来てても断るつもりだったから。｣
｢え？なんで？？｣
麗日さんは意外だったんだろう。目をまんまるくして聞いてきた。
｢今までずっと、Aちゃんに助けてもらってばかりだった。だから、一人のヒーロー志望として雄英に居るからには、自分の力で進んでかなきゃって思って。だから、さっき飯田くんが挑戦するって言ったとき、凄く理解できたんだ｣
Aちゃんに守られてばかりじゃダメなんだ。
｢デクくん......そっか。｣
｢15分経ったわ。それじゃあいよいよ始まるわよ｣
フゥ...
やっぱりアイツは、これをテレビから見ているのだろうか。アイツが、あの気味の悪い笑みで見ていると考えるだけで、吐き気がする。
けれど、もし見てるなら、
『さぁ起きろイレイザー！15分のチーム決め兼作戦タイムを経て、フィールドに12組の騎馬が並び立った！！』
『......なかなか、面白ぇ組が揃ったな』
『さァ上げてけときの声！血で血を洗う雄英の合戦が今！狼煙を上げる！！！
いくぜ！残虐バトルロイヤルカウントダウン！！
3！！！
2！！
1...！
START！』
｢存分に見てなよ。ケンカを売るまでだから｣
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作者名：夢桜 | 作成日時：2019年3月20日 20時
