緑谷vs轟 ページ25
｢来たな｣
『今回の体育祭、両者トップクラスの成績！まさしく両雄並び立ち今！緑谷vs轟！！
START！！』
轟くんは、デクに好き勝手されない為にか、開始瞬間に氷結をぶつけた。
｢(間に合え！！)｣ SMAAAAASSH！
"個性"で指を使い、氷結を防いだ。
｢やっぱそう来るか...｣
『おおぉ！破ったああ！！』
デクは自損覚悟で氷結を打ち消した。
確かに、轟くん攻略の為に、今の彼で出来る最善だろう。
轟くんが再び氷結を仕掛けようとしたが、デクはまたそれを"個性"で防ぐ。
『まーた破ったぁ！！！』
折れたデクの指は赤黒く腫れていて痛々しい。
とても見ていられるものじゃない。
｢おまえは...｣
轟くんは何か言いたげだったが、また攻撃をしようと動く。それをデクはまた止める。
そんな繰り返される攻防を見ていると、
｢ゲッ 始まってんじゃん！｣
｢お！切島二回戦進出やったな！｣
｢おうよ。次オメーとだ、爆豪！｣
｢ぶっ殺す｣
｢ハッハッハッ！やってみな！...とか言っておめーも万能も轟も強烈な範囲攻撃ポンポン出してくるからなー...｣
｢ポンポンじゃねぇよ、ナメんな｣
｢ん？｣
切島くんは不思議そうにかっちゃんを見た。
｢筋肉酷使すりゃ筋繊維が切れるし、走り続けりゃ息切れる。"個性"だって身体機能だ。奴にも何らかの限度はあるハズだろ｣
｢...そうだね。私の"個性"も、使えば使うほど五感のどれかから徐々に失っていくわけだし。とてもあの強個性でノーリスクには思えない｣
私は思考しながらも、独り言のようにかっちゃんの意見に賛同した。
｢それ思ったんだけどさ？｣
上鳴くんが手を上げて聞いてきた。
｢ん？｣
｢その感覚が低下していくってやつ、もう十分、予選のレースとか騎馬戦で、結構"個性"使ってる気がすんだけど。全然平気そうに見えるけど、大丈夫なのか？回復って自分じゃ出来ないって言ってたよな？｣
｢確かにそうね...どうなのかしらAちゃん｣
蛙吹さんが、顎に人差し指を当てて心配そうに聞いてくる。かわいいな。じゃなくて...！
｢あぁ、そういえば、説明してなかったね。...まぁ、確かに感覚の方は、騎馬戦の時には色々落ちててまずかったね｣
｢え、じゃあ...｣
切島くんが言葉を詰まらせた。
｢あ、大丈夫だよ。確かに、自分で回復系の"個性"を使ったとしても、自分にキャパの負担を増やすだけで意味が無いけど...リカバリーガールとか、他人に回復してもらう分には問題ないし、一応、対処法もあるから｣
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作者名：夢桜 | 作成日時：2019年3月20日 20時
