万能vs青山 ページ20
ついに来ちゃったよ、私の出番。
いや、ヤバイ。
私はお得意の無表情ながら、内心焦っていた。
ぐっすりと寝たり、心操くんとお話したりして、自分の試合のことすっかり忘れて、全っ然対策もなんも立ててないんだけど？？
あーー、どうしよ。
...はぁ。...ま、なるようになるか。
『さぁさぁ、流れに乗ってどんどんやっちゃお！！
クール&ビューティー！フードの中はメッチャ美少女！！チート野郎、万能A！！vsきらめいている謎な行動が多いぞ！？青山優雅！！』
｢僕のきらめきにはかなわないよ！｣
｢...それは、どうかな｣
『START！』
開始した瞬間、青山くんがレーザーでこっちに攻撃を仕掛けてきた。
｢っと...危なっ｣
それをすんでのところで避ける。
んー、せっかくさっき寝たし、短期戦でいきたいなやっぱ。
...よし。
｢(パチンッ)はい、残念｣
｢アレ！？｣
青山くんが慌てている隙に、私は｢ゴメンね｣と言って、彼の肩を掴み、場外に放り投げた。
｢青山くん場外！！万能さん、二回戦進出！！｣
『んーー！？何が起こったんだ？よく分かんなかったが...』
『(あいつ...)俺の"個性"の『抹消』を使って青山の"個性"を消し、その隙をついて場外に投げたんだろ。手間をかけず、合理的なやり方だな』
『解説サンキュー！イレイザー！！いやー、上手いモンだねぇ』
やっぱ相澤先生の"個性"はけっこう負担あるな。早く終わらせて正解だったかも。
体に今のところ
｢いいね、ああいう何でもありな子は元がいいと質が上がる｣
｢大物になりそうだな｣
｢これからに期待ッスねー｣
そんなヒーローの話し声を聞きながら、私は麗日さんの控え室へ向かっていた。
麗日さんの相手はあのかっちゃんだ。何か声をかけてあげないと私の気がすまない。
それにしても...さっきのヒーローの会話に、私は思わず思ってしまった。
___元なんて、むしろ悪い方ですよ。
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作者名：夢桜 | 作成日時：2019年3月20日 20時
