聞こえない ページ34
爆豪side
戦いの中、Aが何かわけわかんねぇことほざいてやがったが、途中で何か攻撃を仕掛けようとしてくんのが分かったから、俺は渾身の一撃を与えた。
なのに...何で...
｢痛っ...｣
｢万能さん場外！爆豪くんの勝利！！｣
そこには、ボロボロになったAがいた。
｢は...？｣
｢大丈夫？早くリカバリーガールのところに行きなさい｣
そうミッドナイトに言われたAは明らかに不思議そうな顔をしながら｢...はい？｣と答えた。
何だ...？って違ぇ。今は...
『よーし！決まったな！！よって決勝は、轟vs爆豪に決定だあ！！』
｢決定だぁ？ふざけんじゃねぇぞ！！｣
そう言いながら俺はAに近づいて、胸ぐらを掴んだ。何だか一瞬驚いたような顔をしたが、すぐに片眉を下げてこっちを見た。
｢Aてめぇ、どういうつもりだコラァ！！んであの時壁作りやがった！俺に攻撃しようとしてただろうが！？ちゃんと理由を｢あ、そういうことか｣あぁ？｣
Aは何かを納得したかのように言った。
｢てめぇ急に何を...｣
｢あー、ごめんかっちゃん。私、今声聞こえないから、もっとゆっくり喋って？そしたら口の動きで何となく分かるから。ま、怒ってるのは顔で分かるけど｣
｢...は？｣
今コイツ何て言った？聞こえない...？
｢さっき最後に"個性"使って聴覚がダメになっちゃったみたい。あ、でも多少の音は聞こえるから安心して？といっても、かすれるようにしか聞こえてないけど。
あといつからか分かんないけど、口の中切って血が出た筈なのに、味しないから、味覚ももうヤバイかも｣
相変わらず冷淡に、無表情で言うA。
さっき言ってたキャパの話か？てか、何でコイツ平然としてんだよ。何も聞こえねぇんだぞ。いくら、元に戻るからって...
｢あの、かっちゃん...？｣
｢ふざけんじゃねぇぞコラァ！？｣ BOOM
｢え、ちょ、何！？｣
目の前で急におきた爆破に驚いたのか、Aは俺を引き剥がして、そそくさとダッシュで控え室の方に逃げる。
｢待てやゴラァ！！｣ BOM BOM
｢何怒ってんの！？
と、とりあえず、感覚回復したいからじゃあね！後でちゃんと謝るから！決勝頑張って！！｣
そう早口で言ってさっさと行ってしまった。
｢...くそが！！｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 39人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：夢桜 | 作成日時：2019年3月20日 20時
