【あほの坂田】ホットココアと君の手と。【歌い手】

ドキドキが5回。 ページ6

*Aside*

『赤い髪の、今朝ピロティで女子に囲まれてた子なの！
　初めて見たから多分転校生かも。』

と、思い切りぶっちゃける。

心結ちゃんは色恋沙汰とかには疎いけど情報収集力は凄いから、何か知っているかもしれない。

暫し返事を待つ。


しかし。



『あれ...？』


返事がない。


どれだけくだらない事でも、"布団が吹っ飛んだ"レベルの駄洒落を言っても、「あっそ」とか「ふーん」とか、それこそ素っ気ないけど絶対に返事はしてくれたあの心結ちゃんの返事が、ない。


『心結ちゃん...？おーい？』


肩をトントン、と叩くとビクッと肩を揺らす。

そして一呼吸置いてから顔を上げた。


「情報量少なすぎでしょ(笑)」


わら、った。

私の目を、捕らえて。


『...あ、そ、そっか！そうだよね！』

一瞬理解が出来なかった。情報量？何の事？って。

2秒くらい経って、やっと理解できた。赤髪少年の事か。

そうだよ。だって心結ちゃんは沢山情報を持ってるから、分かりにくいじゃん。

特徴を言わなきゃ。



そう自分に言い聞かせた。

『え、っとね〜...背が高くて〜、髪の毛と目が赤くて〜、手がおっきくて〜、背もおっきくて〜...』

「それさっきも言ったよ。あと手の大きさはいらない。」

『え〜！？大事なのに...』

「いりません。」








心結ちゃんって、あんなに赤い目してたっけ。

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