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「もしもし?」

「A?おれだけど...」

「どした?研磨」



研磨の声が妙に緊張感を帯びていた



「Aは、クロの話を聞いたの?」

「え?...キスしてたこと?」

「うん、Aその現場を見て怒ってるみたいだったから、」




私はそこで"確かに、"と呟いた



鉄朗の話も聞かずに怒って勝手に突き放した

もしかしたらなにか理由があったのかもしれない



「明日、1日クロの事見てみたら?多分おれの予想だと明日はA以外の女子とは話さないと思うよ」

「えー、そうかな」



そんな期待させられたらまた後でがっかりするんじゃないのかな


5年間付き合ってきてそれを何度も繰り返してきたんだよ?



「いいから、たまにはクロを信じてみて」

「...そこまで言うなら」


研磨に説得させられた私は渋々了承して電話を切った

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作者名:紫季 | 作成日時:2016年4月10日 1時

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