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五十四話 ページ7

さっきこの子が落とした綺麗な鈴を出す


唯愛「そ、それは!!」
っと目を大きくしながら彼女は言う

『実は今日これを落としていく所を見て知らせようとしたんだが気づけば見失っていたから探していたんだ。』

鈴を彼女に渡すと凄く愛しくだけど何処か寂しそうな
そんな顔をして鈴を受け取った
唯愛「なにから何まで…ありがとうございます」
彼女は渡さした鈴を弱くとも力いっぱい握って
深く頭を下げた

『いいよ礼なんて…それにしてもその鈴綺麗な鈴だよな』

唯愛「あ、はい…凄くいい腕の職人が作ったモノで
大事にしてたんです」

彼女がその鈴をどれだけ大切にしていたか
それはその鈴の出す音で分かった
使い古した鈴は重く聞こえる
が彼女が持っている鈴の音は軽く耳に心地いい
そして見る限り装飾が剥がれていない
凄く大切に使っていたんだな

ふと目をやると足場にムキムキネズミが
こちらを見ていた
そう言えばある程度したら帰ってくるようにと兄に言われていたんだっけか

『さて、そろそろ行くな』
唯愛「そうですか…」

『あぁ〜…そう言えば最近ここらで若い女性が狙われているぽいから夜は出歩かないのをおすすめするぜ?』

唯愛「…そ、そうなんですね!ありがとうございます」
っともう一度頭を下げた

『もう1つ、さっきの話』
唯愛「若い女性がの?」

『その前自由ってやつ』
唯愛「あぁ…は、恥ずかしいです…忘れてください」

『どこが恥ずかしいんだ?いい事じゃねぇか
目標があるのは
目の前の敵に負けずに戦って
最後には勝とうと努力してる…そんな頑張ってるやつの
夢…バカになんてしねぇよ…頑張って叶えろよその願望ってやつ』
僕は彼女に背を向けてまた家の屋根に登り
兄の所まで走る


あの子を見てると懐かしい気持ちになった…
また会えるといいな
_____
__

時々夢を見る…皆が笑ってて私も笑っている
このままならどれだけ楽しいか

だけど現実は違う…絶望ばかりだ
冷たい目線厳しい声…怖い

ここから…出たい…
自由になりたい

そんな私を見て周りは笑う…
私を置いて

皆私に背中を向ける
誰も私を見ようとしなかった


『頑張って叶えろよその願望ってやつ』
そうやって背を向けた彼は

遠くに行ってしまうのに
何故か近くに居る感覚がした

暖かい…こんなにも心が暖かくなったのは久しぶり
優しい声…優しい目線

遊郭へ帰って辛い仕事をこなす
辛いはずなのに

あの人の声と目を思い出せば辛さなんてどこかへ消えた


また会えるといいな

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noppi(プロフ) - 続きも見たいです(*^▽^*) (2022年5月12日 23時) (レス) @page6 id: a056ba0898 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:日二コ x他1人 | 作者ホームページ:http://日ニコ  
作成日時:2022年5月8日 19時

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