______Ｓな兄（kento.n）

（47） ページ47

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病院で診察してもらって、


結果はただの風邪。





まあ、よかった。安心。




風邪薬を貰って、車で家へと向かう。


お兄ちゃんが運転してる車に乗るなんて。

初めての出来事で。



なんかちょっと新鮮。






ハンドルを握るその横顔は、


真剣な眼差しで大人の男らしさを感じる。




一応変装でメガネをかけているけど、


またいつもと違う雰囲気でドキッと胸が高鳴る。





*




あっという間に家に着き、


車から下りる。





『ほら、こっちこい』




またお姫様抱っこをしようとしているのか


手招きして私を呼ぶお兄ちゃん。




｢いやっ、さすがにお姫様抱っこは…｣




一応、誰が見てるか分かんないし






それに、______心臓が持たないっていうのが本音。







『……っはぁ。じゃあ、こっち乗れ』




そう言って、自分の背中を指している。





｢で、でも…｣



『いいから、病人は大人しく言うこと聞け。』





このまま拒絶し続けても、

状況は何も変わらない気がしてきて。



仕方なくお兄ちゃんの背中におぶられた。







ベッドに下ろされて、一気に脱力する。








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