______Ｓな兄（kento.n）

（42） ページ42

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先にどんどん歩いてくお兄ちゃんの後ろを


早歩きで追いかける。






足が長いから歩くの速いんだよ……


もうちょっと遅めに歩いてよ。






そんなこと思いながら、ついていくと







《おぉ〜健人くん！今日もお疲れ様！》






仕事の関係者らしき人が話しかけてきた。






『お疲れ様です！』



笑顔で挨拶をするお兄ちゃん。



こういう所はやっぱり真面目なんだなぁって

改めて実感する。





《その…後ろにいる子はどうしたの？》




私の方を目で見て、お兄ちゃんに問いかける。






『この子は俺の妹のAです。』




《ああ〜この子が例の妹さん！》




納得という表情をして、頷いている。





例の、って？



まさかのこの人たちにまで私のこと話してたの？







疑問に思っていると、いつの間にか


目の前にいた仕事関係者さんはいなくなってて。






『ほら、帰るぞ。』





そう言って、手を差し伸べられる。








私、そんな手を繋がなきゃいけないような


子供じゃないんだけど。






『……遅い。』






ガッと手を掴まれて、どんどん前に進んでいく。








｢えっ、ちょ速いんだけど。｣



『うるさい、黙ってついてこい。』







こんなの私たちの関係を知らない人が見たら、


どうなるか。







恐ろしすぎる。






何度も掴まれた手を離そうとするが、


お兄ちゃんの手から解放されることはなくて。









ドキドキが止まらない。




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