{鋼の錬金術師} 贖罪の錬金術師《 atonement alchemist》 (ページ35)

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反抗しなきゃいけないのに……
　
なんで。こんな。

ロイのベッドの上に積まれた沢山の白い枕
その上に上半身を乗せられる。
柔らかくて、
　
「大丈夫。すぐに熱も良くなるからな」
　
ロイが私の服を、まるで果物の皮を剥くように丁寧に脱がせていく。洋服と枕の上。
私は脱力していた。
　
薄暗い部屋。
何がなんだかもうよくわからなくって。
頭がごちゃごちゃしてる。

「A。声がうるさいから。
たまにはこれを犬らしくくわえていなさい」
「ひゃいっ、ごふじんしゃまぁ……！」
「キスだけなのに……」
ロイの手袋をくわえて、ロイは私の小さな山に吸い付いた。
「ん、んぅ……」
「……君は嫌がるだろうが。私は君のこの手に収まる胸の大きさとか悪くないと思うんだ」
　
ベッドの軋む音が大きく響く。
　
指はゴツゴツしてるし、薬は酷いし。
もう嫌だと思った。
　
でも、私はベロベロの手袋をくわえたまま、彼の手に堕ちていた。
　
焔を出す指が。
私のなかで焔を出していた。
　
彼そのものに見ようされてしまった。
　
そして、だるい体を抱えられて行ったシャワーでも、珍しくロイはしつこかった。

体の全部をロイに触られて。
洗われて。
　
私はシャワーの間もロイに抱き付いていた。
　
怖かったのもあったし、
苦しかったのもあったのだ。
　