10人目の雪だるま。23 (( W.Shota )) (ページ38)

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A side

電話を切った後

羽菜がコケてしまい

幸いにも背負ってた転倒防止のリュックのおかげで
怪我は無かったものの

びっくりして泣き始め

しばらく抱っこしながら

何となくSnowManの曲を歌ってみた。

段々泣きやみ、ノリ始めた。

羽菜はほんと私が歌うの好きなんだなぁ

と思いながら

椅子に座らせて

さっくんがくれたペンライトを渡し
振り方を教えて

しばらく歌った。

久々に歌ってる気がするなぁ、

歌うのを辞めると｢まんま｣と言われ
抱っこかと思ったら拒否られるので
歌えという意味なんだと思ってしばらく歌ってると

｢コンサートしてんの？｣

と後ろから声がして振り向くと

翔太がいた。

｢あ、おかえり｣

し｢ただいま。どうしたの？｣

｢羽菜がコケちゃって、びっくりして泣いたから
あやしながら歌ってたらずっと歌わされた。笑｣

し｢なるほどね、笑お疲れ様。
羽菜Aの歌好きだもんね｣

｢久々にまあまあ歌った、笑｣

し｢怪我はなかったの？｣

｢うん。リュックのおかけでどこも打ってない｣

し｢よかった｣

よかったって言った顔が
完全にパパの顔だったことに

ちょっとびっくりしてしまった。

そっか、この人パパなんだな

自覚が芽生えなくても
焦らなくてもいいからね、とは言ったけど

こんな顔するようになったんだなぁ、

自分の生活リズムとかペースが崩れるのが嫌な翔太が

娘や私の為に変わってくれたのだと思うと

何だか感動する。