10人目の雪だるま。21 (( W.Shota )) (ページ31)

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北斗 side

｢よし。描けたー｣

とスケッチブックを見せてもらうと

めちゃくちゃ自分だった。

｢やっぱりイケメンって難しいな｣

ほ｢いじってる？｣

｢いじってない。笑｣

スタッフさんにインスタ用に撮ってもいいですか？
と言われ、紙の端っこにサインを書くA。

スケッチブックを挟んで
2人で持って撮ってもらった。

ほ｢なんか遺影みたいだね｣

｢このクオリティの遺影嫌でしょ、笑｣

ほ｢貰ってもいい？｣

｢うん。どうぞ｣

ほ｢絵ってなんか習ったりしたの？｣

｢いや、独学。｣

ほ｢才能どうなってんの？｣

｢何それ、笑｣

ほ｢何が出来ないの？｣

｢緊張せずにステージに立つこと。笑｣

ほ｢そんだけ出来たら大したことないよ｣

｢いやいや大したことあるよ、笑｣

話してると

スタッフさんに呼ばれ
リハーサルをした。

今日は沢山喋る日だな。

なんでかは分かってる

泣くシーンがあるからだ。

Aは昔から手が震え
緊張する口数が多くなる。

さっき絵を描いてたのも

多分落ち着かせるためだったんだろうな。

その小さい背中に背負っている気持ちを

半分持てたらいいな、