10人目の雪だるま。15(( W.Shota ))

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翔太 side



なんの曲にしよう。



今日はAが活休前最後の日。


しばらくはアイドルのAを見ることはない。


何にするか迷ったけど

椅子に座って
ギターのチューニングするAの傍に行った。



｢決まった？｣

し｢ボドネがいい｣

｢了解。みんなには回ってから
何歌うか言うから後で振るね｣

し｢分かった｣



Aはスタッフさんに声をかけて
メンバー分の椅子とマイクを用意してもらい
｢カメラ回して大丈夫です｣
と言った。



｢さぁ。準備出来ました｣

さ｢お前だけが歌うんじゃないの？｣

｢じゃないんです！
渡辺さんタイトルお願いします｣

し｢歌う曲はbonshommes de neige
(ボンゾム ドゥ ネージュ)です｣

スノ-し+貴｢おぉー！｣

｢なんで、皆さんも歌ってもらいます｣

こ｢なんか緊張するなぁ、｣

｢声出しとか大丈夫？したい人いる？｣

さ｢全然大丈夫｣

ひ｢俺も大丈夫｣


OKサインをするみんなと顔を合わせ


｢じゃあカウントして
イントロ弾いたら
歌いだしてね｣

と言ってAは深呼吸してから


イントロを弾き始めた。




ひ｢道無き道の先に
まだ見えない未来｣

だ｢これでいいのかと
自問自答していた｣

ラ+あ｢望む視界の先に
まだ踏み出せない足跡｣

し+め｢ひとりじゃないから
ここまで来れたんだ｣

ふ+さ｢あの時こうすれば良かったなんて｣

｢もう後悔したくない｣

スノ｢一歩一歩進む
終わりのない終着点(ゴール)へと
共に手を取り笑いながら
今日も歩き始めよう｣





歌いながら浮かんでくる


この曲を初めて聞いた時



メンバーとして

男友達として

恋人として

夫として







改めて、Aを誇りに思った。

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