10人目の雪だるま。1 (( W.Shota ))

42 ページ42

A side


すっぴんをあんな近くで見られることほど
嫌なことないな、、


と思いつつ


あんな近くで見ても
肌が綺麗な翔太ってやっぱ凄い。



オーバーサイズの部屋着を持って
リビングに戻ると

まだ眠そうな翔太。



｢はい、これ｣

し｢ありがと｣


とリビングで着替えようとする翔太。


｢ちょっと待って！｣

し｢あぁ、ごめん｣

｢向こう向いてるから着替えて｣


着替えてるだけなのに
服の擦れる音に無駄にドキドキする。



｢はい、いいよ｣

と翔太の声がして振り向くと

ほっぺを指で刺された。


｢何？｣

し｢いや、すっぴん初めて見たなぁって｣

｢あっ、そうだった、、｣

私は咄嗟に顔を隠した。



し｢今更隠す必要ないだろ｣

｢あるよ！｣

し｢老けたな｣

｢うるさい｣

し｢嘘嘘、めっちゃ肌綺麗｣

｢翔太に言われると嫌味に聞こえる｣




｢嫌味じゃないよ、本心｣



そう言った翔太の顔が


ほんとに思ってる顔だったから


なんて言えばいいのか分からない。



｢あ、ありがと｣

し｢Aってさ、、｣

｢何？｣

し｢顔ちっさすぎない？｣


さっきバナナクリップで纏めたんだった。


｢いや、そんなことないない｣

し｢あるよ、佐久間並じゃん｣

｢あんなちっさい訳ないでしょ｣

し｢いや、手どけて？｣



言われるがままに手をどけると掴まれて


｢やっぱ可愛い｣

ってすっぴんをまた見られた。



｢ちょ、ちょっと！手離して！｣

し｢嫌だ｣

｢無駄に力強っ！｣

し｢ジム行ってるもん｣

｢私も行ってるもん｣



翔太は片手だけ離してくれて

隠せる！と思ったら

私のほっぺに手を添え




え？と思ったら








キスされた。

43→←41

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す