月がきれい。5 [ Ren.M ]

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蓮 side


仕事が終わって家に帰ると

玄関までAが来てくれて

｢おかえり｣

｢ただいま｣



普通のやり取りなのに

なんか凄い安心する。




｢めめおかえりー｣

とラウールの声がした。


｢お前いつまでいるの？｣

｢いつまでってめめ帰るの待ってたの！｣

｢ふーん、、で、日菜は？｣

｢今ぐっすり寝てる。ご飯あっためるね｣

｢なんでご飯食べてないって知ってるの？

｢ラウールに聞いた｣

と言って台所に行ったA。



｢どういうこと？｣

とラウールに聞くと


｢マネージャーさんに聞いたの、
めめご飯食べたかって。
Aちゃんに教えて欲しいって言われて
ほぼ毎日聞いてる｣



ゆっくりご飯食べる時間が無くて
帰りが遅くなった日に

ご飯があるのはそういう事か。



｢俺に連絡すればいいのに｣

｢それ俺も言ったんだけどね、
めめにいらないって言われたら
ショックなんだって｣

｢何で？｣

｢なるだけ家で食べて欲しいらしいよ。
めっちゃいい奥さん持ったね｣

｢うん、そうだよ｣

｢何？惚気？｣

｢違うよ、事実｣

｢ムキになるのもそっくりだね｣

｢お前うるさい｣

｢将来俺もこんな奥さんに出会いたいなぁ｣

｢無理無理｣

｢なんで？｣

｢いないもん、Aしか｣

｢そうかな｣



いない

Aしか。




こんなに想ってくれる人はいない。







｢蓮、ビール飲む？｣

｢飲む｣

｢了解｣



やり取りが終わると



｢さっきの撤回する｣

｢だろ｣





Aは


ほんっっっとによく出来た奥さん。




俺は



Aに




何が出来てるんだろう。

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