月がきれい。3 [ Ren.M ] (ページ3)

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蓮 side

拭っても拭っても
涙は止まらない。

｢A、、もうなんか、、どうしたらいい？
俺、、、Aが思ってるより泣き虫みたい｣

寂しくて

苦しくて

悔しくて

辛い。

俺の涙の雫が

Aの手の甲に落ちる。

すると

確かに握り返される手。

｢A？A？｣

と呼びかけるとゆっくりと開く目。

｢、、、、、れ、、ん？、、｣
｢A？｣
｢れ、、ん、、、｣

俺はとりあえずナースコールを押した。

お医者さんが駆けつけ
気がちょっと動転してるから
説明が入ってこないけど
意識が戻ったと言った。

Aの両親が来て
Aの手を握るなり嬉しそうに泣いている。

｢蓮くんのおかげね｣
と言ってくれるAのお母さん。

｢私、、どれくらい寝てたの？｣
｢4週間ぐらい｣
｢嘘、、凄いな｣
｢なんでコンビニなんか行ったの？｣
｢蓮と、、ケーキ食べたかったから、、｣

Aはそう言うと右目から涙が流れた。

寂しい想いさせてたんだと思うと
また泣きそうになる。

｢じゃあ私達は帰るね？｣
｢、、早くない？｣

相変わらず親にもツッコむA。

｢2人とも2人っきりになりたそうだから帰る｣
とちょっとイジってくるAのお母さん。

｢じゃあね、、また｣
｢うん、またね｣

4週間ぶりに目を覚ました娘に
話したいことも沢山あるだろうに
Aの両親は帰って行った。

俺は2人に向かって深々お辞儀をした。