月がきれい。[ Ren.M ] (ページ19)

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A side

目黒くんの幼なじみなんでしょ？
ちっちゃい時の写真とか見せて！

よく言われた。

でも

勝手に見せるのもどうかと思ったし
なんか嫌で

本人に聞いてからにして

と言っていた。

今思えば

それが目の敵にされるきっかけだったんだな。

『あ、そうだ。この前同窓会あったじゃん？』
『うん』
『俺と仲良かったやつ覚えてる？
昔Aに、、、告ったやつ』
『あぁ、うん。』

私が蓮を好きだと知っていて
相談まで乗ってくれてた子だった。

だから告白された時

なんて答えればいいのか分からなかったのを
今でも覚えてる。

『あいつ結婚するんだって』
『へぇー、そうなんだ』
『結婚するやつが居るなんて変な感じだよなぁ、、』
『確かにね、、、まだ遠い気がする』
『相手もいないしなぁ、、』
『蓮はファンっていう幸せにする相手がいるじゃん』
『まぁ、そうだね』
『私なんかだーれもいないもん』
『俺がいるじゃん』
『そういう事じゃないんだな』
『そういう事ってなんだよ』
『そういう事はそういう事』

そういう事じゃない、なんて

自分で勝手に壁を作ってる気がした。

『ねぇ、今ベランダ出てみて』
『なんで？』
『いいから出て』

蓮に言われるがままに

私はベランダに出てみた。

『空見て』
『見てるよ』
『月、綺麗だね』
『うん、そうだね』

蓮と見る

綺麗な満月。

なんで蓮がそんなこと言うのかも
この言葉の意味も

私はまだよく分かって無かった。

『おやすみ』

お互いそう言って電話が切れた。

電話時間を見ると

10時間近くしていた。

｢今どきこんな長電話することあるんだ｣

私は思わず出た自分の独り言に
ちょっとびっくりして
部屋に入りベッドに横になった。