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偽って、その先に。:前半 ページ15

俺の目の前には、いつもお前がいた。








天下五剣、日本最古の血吸、そして己とともに日本刀の東西の両横綱と呼ばれるじじい、基、童子切安綱。





誰からも愛され、誰よりも強い彼に、勝てる気がしなくなったのはそう近い日の事ではなかった。



分け隔てなく愛し、甘やかし上手で、そうでありながらあの三日月でさえも黙らせる正に“絶対王者”の風格。




負けを認めるのも、時間の問題だった。





あの蛋白石の瞳に、俺はどう映っていたのだろうか。





『逸話だろうが、元の主が誰だとか、そんなの関係ないさ。
それ以前に僕たちは刀剣の、その付喪神なんだ。




そう考えると、天下五剣だろうと何だろうと、みんな一緒だよ。
だから、僕も君も変わりないのさ。



日本刀の東西の両横綱だとか気にしなくていい、大包平君は大包平君のままでいて。』





ふんわりと細めた瞳からは、溢れんばかりの慈愛がこもっていた。






三日月も数珠丸も大典太もその他の刀剣男子も、童子切のこの聖母のような愛に溺れていったのだろう。無論、自分もそのうちの一人だが。
俺たちは童子切に愛されるだけで、これほどない幸せを感じていた。






だがそれももう終わってしまった。




初代の審神者は病で若くして亡くなり、次の審神者は己の欲を満たすことを最優先とする霊力の濁った女狐。



その女狐の欲を満たす道具として童子切は毎日相手をした。
毎回のように抱かれ、時には抱いた。




その女狐も他の審神者共に精神的暴力を振るわれ、精神を病み、審神者を降りた。
この時をどれだけ待ち望んだ事か。





でもやはり人間は変わらないようで、次に来た奴らも、2代目と同じような奴らばかりだった。

偽って、その先に。:後半→←愛、藍、遭い、逢い、哀。



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欝魏 - とても素敵な作品です。 (2020年4月24日 22時) (レス) id: 9689208d3b (このIDを非表示/違反報告)
アヤ(プロフ) - 影さん» はい、その曲をイメージして書きました。良いですよねボカロ。 (2018年10月6日 18時) (レス) id: 11fd4bd825 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - だれかのの心臓になれたならを思い出した!ボカロはやっぱいいね (2018年10月6日 14時) (レス) id: 026253e74c (このIDを非表示/違反報告)
アヤ(プロフ) - 匿名希望さん» あたちはあいちてゆ(ドヤァ) (2018年9月30日 11時) (レス) id: 11fd4bd825 (このIDを非表示/違反報告)
匿名希望 - 好きです(唐突) (2018年9月30日 2時) (レス) id: 21ce6e7c67 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アヤ | 作成日時:2018年9月6日 18時

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