貴方の何かになれたなら ページ13
薬研が去った後、誰かがすれ違うように部屋へ入った。
その人は童子切のベッドに腰を掛けた。
童子切の黒と白の髪と、青年のアッシュグレーの艶やかな髪を風が静かに揺らす。
赤い目が寂し気に細まった。
青年＿＿＿＿＿＿大般若長光は、童子切に異常なほど執着していた。
顕現された場所は思ってもみなかったブラック本丸。
同じ刀派の家族たちも傷だらけ。
そして訳の分からない儘夜の相手をさせられる。
そんな時現れたのが童子切だった。
自分の方が何倍も辛い筈なのに、優しく、甘やかすように抱き締めてくれた。
もう大丈夫だと、頭を撫で、そして少し傷付いた温かい手で頬を包んでくれた。
自分と同じ背丈のはずの彼の背が何故かずっと高く見えた。
いつの日か、大般若は聞いた事があった。
自分とあまり関わった事のない者たちの分も請け負って辛くないのか、と。
それを童子切は、
『関わった事が無くても、そんなの関係ないよ。
だって僕は刀剣男士の“お兄ちゃん”なんだから。
弟を守るのはお兄ちゃんの役目だからね。』
と言った。
大般若は、童子切はそう自分に言い聞かせて正気を保っているのだと瞬時に気が付いた。
でもそれを否定すれば童子切が壊れてしまう、それも気付いてしまった。
だからその言葉に甘え、いつの日か執着していった。
若し自分が童子切の心臓だったら、自分はどれほど幸せか。
愛する者と共に生まれ、いかなる時もともにいて、終わる時もともに終わる。
そんな考えを何時からか持つようになった。
大般若は唇を妖しく歪め、童子切の白く華奢な手を血が滲むほど強く握った。
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欝魏 - とても素敵な作品です。 (2020年4月24日 22時) (
レス) id: 9689208d3b (このIDを非表示/違反報告)
アヤ(プロフ) - 影さん» はい、その曲をイメージして書きました。良いですよねボカロ。 (2018年10月6日 18時) (レス) id: 11fd4bd825 (このIDを非表示/違反報告)
影(プロフ) - だれかのの心臓になれたならを思い出した！ボカロはやっぱいいね (2018年10月6日 14時) (レス) id: 026253e74c (このIDを非表示/違反報告)
アヤ(プロフ) - 匿名希望さん» あたちはあいちてゆ(ドヤァ) (2018年9月30日 11時) (レス) id: 11fd4bd825 (このIDを非表示/違反報告)
匿名希望 - 好きです(唐突) (2018年9月30日 2時) (レス) id: 21ce6e7c67 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アヤ | 作成日時：2018年9月6日 18時
