たとえ、君が犬でも -結- 【JM】 (ページ14)

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◆ ページ14

ずんずんとスタッフルームを出て、足早に立ち去ろうとするジミンさんを、私は必死で追いかけてその手を掴んだけど、また振り払われた。

私は諦めずに手を伸ばすけど、こちらも見もせずに手を引いて、身体の前に回してしまうから焦って駆け寄り、隣に並ぶ。

『ねえ、違うんです。聞いてください。確かに会社は辞めるけど、ジミンさんが思ってることじゃなくて』

JM「俺が思ってることって何？Aに俺が考えてること、何がわかんの」

はっって、鼻で嘲笑うように言うから、私はほんと、申し訳ないけどヨンソオンニを軽く呪う。

『専属は抜けないです。これからも一緒にお仕事は続けていくから』

JM「一緒に？」

JM「最近、いつ一緒に仕事した？俺最近はずっとチョウンヌナとしてたけど？」

舌打ちしても、いいですか？

私達に気を使って、みんながそうしてくれてただけですって、わかってますよね？

私達が歩きながら言い争ってるから、廊下のあちこちのドアから社内の人が、何が起きてるのかって顔を出し始めてる。

『ここじゃ人が多いから、ちょっと戻りましょう？ジミンさんお願い。少しでいいから、聞いてください！』

JM「少しなら聞いたって。ヨンソヌナがものすごく簡潔に、話してたじゃん」

ジミンさんはエレベーターのスイッチを押してポケットからマスク取り出して口を覆うと、完全に私との会話をシャットアウトするって意思表示でそっぽを向いた。

その態度に、私はぶちって、自分の忍耐の糸が切れる音が聞こえた。

元々、気が短いの。

薄々、感じてたと思うけど。

『ジミン！いい加減にして！！！』

恐る恐る、という感じで私を振り返るジミンの顔が、マスク越しでもわかるくらいに、さっきの苛ついていた表情を落として、ただただ驚愕に染まってる。

JM「今、呼び捨てにした？」

良いじゃない。

だって、同い年だし。