NJ-2 ページ6
「なんで、ユンギヒョンとわかれたんですか」
『正月の挨拶の言葉にしては、新しいね。でも、それをRM君に教える必要ありますかね』
「Rの発音素晴らしいですね。俺を名前で呼ばないのは気まずいからですか？」
『なんでナムジュナと気まずくなるの。そっちが圧迫面接するからふざけただけじゃん』
「Aヌナとユンギヒョンは未だにお互い思い合っているのに離れるなんて、合理的じゃありません」
『ウー、合理的。恋に一番向いてない言葉ですけど、だいじょぶ？』
正月が明けて、楽器店が開店して早々に乗り込んできた俺にAヌナは、いつもの調子で話すばかりで、全然相手にしてくれない。
俺とヌナとは、練習生時代にユンギヒョンにこの店を紹介してもらってから、もうずっと、親しくしている。
友達としての期間は、もちろんヒョンと同じくらい長い。
だから、これは当然の権利だと思う。
「ユンギヒョンに聞きました」
『何を？』
「俺にも、プレゼンしてください」
「二人が別れなきゃいけなかった理由」
その時のAヌナの顔には、面倒くさいことになったな、としか書いていなかったけど、ふう、とため息を吐くと、俺に向かってこう言った。
『結論から言うと、一緒にいる時間がほとんど無い関係性に、私が一方的に耐えかねて別れを切り出して、受け入れてもらった、それだけだよ』
『ナムジュナが聞きたい、合理的な話でしょ？二人の間に愛はあっても、その愛を育む時間が無かった』
以上、終わり。
確かに合理的で、理路整然とした、恋が破綻するには十分すぎる理由だった。
でも、俺は一つも納得できてない。
むしろ、そんな理由で別れたのかと、ヒョンにもヌナにも、怒りさえ覚えているくらいだ。
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作者名：フネ55
| 作成日時：2022年12月3日 8時
