YG-2 ページ47
TH「雰囲気良いですね。ここ、よく来るんですか?」
嬉しそうにそう言って、俺が予約した店の個室に入ってきたテヒョンに、片手を上げて挨拶すると、座るように促した。
俺も使おうかな、なんていいながらキョロキョロ内装を眺めるテヒョンに、
「ここ、カニ味噌チゲがめちゃくちゃ美味い。他何でも食べていい。今日は奢るから」
と言って、頭を下げた。
「ほんと、お前のおかげだから」
何のことかわからないみたいに、きょとんとして動きを止めたテヒョンに、俺は笑ってみせる。
「スパイありがとうな、今まで」
あ、と言う口の形をしてから、そっと手で唇を押さえたテヒョンは、静かに居住まいを正すと、
TH「…俺の勝手で、したことですから、お礼はいいです」
って言ってそれから、にやっと目を笑わせた。
そうして最近板についてきた落ち着いて大人っぽいテヒョンじゃなくて、俺の弟のテヒョンの顔になって、
TH「ジミナ呼んでいいですか?あいつはスパイじゃないけど、俺の協力者だったんでヒョンがお礼言うべきなのはむしろ、ジミナの方だと思いますよ。すごく喜ぶと思うし」
イヒヒ、って口を四角にして笑った。
俺はスパイの協力者って意味の理解が追いつかなかったけど、
「ジミンまで巻き込んでたのか?なんだよ、お前ら…」
言葉を失う。
いやだね、歳取ると涙腺がバカになるわ。
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作者名:フネ55 | 作成日時:2022年12月3日 8時