YG-1 ページ46
「何お前、テヒョンと繋がってんの？」
心臓が、口から飛び出すんじゃないかってくらいの驚いた顔、なかなか見ることって無いよな。
こちらに背を向けてスマホを触っているAの背後から、その画面を見たのは、本当に偶然だった。
カトクの画面に、見慣れたアイコンと会話しているのが並んでいて、ピロン、とタイミングよく送られてきた写真。
YG「なんで俺の写真、テヒョンが送ってるわけ？」
特に二人の関係を疑ったわけじゃない。
テヒョンにはずっと好きな女がいるって知ってるし、Aもそんなことができる人間じゃない。
ただ、俺の知らないところで二人が繋がっていて、何かしら俺に関係することをやりとりしてるってことがわかって、ちょっといい気はしなかった。
Aは一瞬ためらった後、大きく深呼吸を一つしてから、俺を手招いて二人してソファに座った。
それから、無言のままスマホを少し触ってから画面を俺に見せてきた。
「…えっ…」
絶句、ってこういうこと？
画面には、ずらっと俺の写真、写真、動画。
Aは俺の顔を見ずに、すっと指で画像をスクロールしてみせたけど、ずらずらーっと流れて終わりがない枚数に、ちょっと言葉が見つからない。
これを見せてきたのが、Aじゃなかったら、
俺は、ストーカーだと思ってたと思う。
なんて言葉をかけたら良いか考えていたら、Aは顔を上げて、
『ごめん、ユンギ』
『私去年からずっと、あなたのことをテヒョンにスパイしてもらってた』
だから全然寂しくなかった、て。
「ちょっと待って、何て？」
俺が寂しかったのに、Aはそうじゃなかった？
いや、それは良かったし、全然いいけど、
待って。
「スパイって何」
『…モチベーション…』
モチベーションって何。
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作者名：フネ55
| 作成日時：2022年12月3日 8時
