私があなたを手放す方法【YG】 (ページ19)

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『…ごめん、ほんと、傷つけてごめん…！！』

Aが、焦った声で俺の背中をさすってる。

俺、お前の前で泣くの初めてだもんな。

Aがこんなに動揺してるのもレアだし、久しぶりすぎる体が心地よく馴染みすぎて、気がついたら抱きしめていた。

俺の腕を拒まないA。

それは俺のことをまだ好きだからなんだろうけど、
俺が求める好きとは、

もう違んだろ？

わかったよ。

『ね、ほんとに、大丈夫だって』

大丈夫なんかじゃないよ。

死ぬ。

心が死ぬ。

『私のこと、すぐ思い出さなくなるよ』

そんな悲しいこと言うなよ。

胸が張り裂けそうだよ、まじで。

『わかるよ。ユンギ、これからもっと。そんな暇ないくらい、忙しくなる』

それは否めない。

『いつでも応援してるし、いつでも店に来て。いつでも、会えるから』

ハルは、いつかの時みたいに、俺の顎に両手をそえて、うつむきそうになる俺の顔を持ち上げると、ゆっくり頬に、唇を寄せた。

それから、今度は反対の頬に。

俺の止まらない涙を拭ったりはせず、まっすぐに見つめて、

『元に戻ろう、ユンギ』

俺の答えは求めずに、もう決めたことのように言ってしまった。

『次会う時は、私は楽器屋の店員で、ユンギは仲のいいお客さん』

『カトクはそのままにするから、欲しい機材があったら相談してよ』

ね、って言って、最後に笑って、俺の頭をぐしゃぐしゃっと撫でた。

俺とAは、こうして終わった。

あとは、まあ、Aとは良い友達で続いてるよ。

そんな感じ。

〜の方法その2、おわり。