85 ページ40
アリンにこの3月から同僚になるよ、と連絡すると、
AR《ごめん!伝えるの遅くなったんだけど、実は2月に会社やめたんだよね》
と返されて、椅子から転げ落ちかけるほどびっくりした。
《なんで!?え、ほんと、なんで??》
AR《できちゃって、結婚した》
《え、え??》
AR《ライブツアーファイナルベイビーだよ〜》
わあお。
私が、忘れたくても思い出したくないあの時の子供とか。
なんて記憶に残る授かり方を。
ちなみに、会社が倒産したきっかけでフィリップさんは母国に帰ってしまって、他のスタッフも散り散りになった。
安泰だと思っていた私を取り囲む全てがバラバラになってしまって、それぞれ別の道を歩まざるを得なくなって。
それでも私は仕事があって、
アリンは子供を授かって、
決して暗い話ばかりじゃない。
私は、
今を精一杯、
生き抜いていこうと心に決めた。
ちなみに、入社してからしばらくは、BTS関係の仕事が回ってくるたび内心ヒヤヒヤしていたが、セジンさんがちゃんと配慮してくれていたのか、特にメンバーとか変わるようなこともなかった。
それに、聞いたらメンバーは専用通路があるとかで、打ち合わせの必要がある部署の社員以外は、そうそう会えることは無いとのこと。
それが分かってから、ようやく心の底からくつろいで仕事に勤めることができるようになった。
でも正直、TXTの仕事だけしていたい。
心穏やかで、いたいから。
674人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:フネ55 | 作成日時:2022年12月7日 14時