チャック開いてますよ ページ8
「ただその好意に応える事は出来ません。
僕は貴方を恋愛対象として見ることが出来ない」
想像以上にとんでもない勘違いが起きていた。
好意…？恋愛対象…？
僕が寮長の事が好きってこと？
確かに好きだけど恋愛感情は特に抱いてない。
僕的には寮長=ママって感じだし
確かに付き合うのはこっちも無理かなって。
「Aさん、お友達になりましょう」
…え？？？
更に予想外の言葉に思わず耳を疑う。
別に寮長と友達になるのが嫌という訳じゃない。
ただ本当に僕でいいのだろうか。
こんな完璧な人に釣り合わないだろうし…
いや、やっぱり僕も先輩と友達になりたい。
もう断る理由が無い。
「寮長…こちらこそ僕で良ければ…」
そう言い返すと寮長はにっこり笑ってくれた。
何か忘れているような気もするが…
「Aさん、そろそろ開店時間なので行きましょう」
「あ、はい…！」
二人で更衣室の出口へ向かう。
すると………
「あれ、アズールじゃん。
クマノミちゃんも一緒？珍しいね」
「フロイド？なぜ更衣室に？」
「スマホ無くしちゃってさぁ、
どこに置いたか探してたとこ」
扉を開けた先にはフロイド先輩がいた。
スマホをなくすなんて致命的だな…なんて思っているとフロイド先輩の動きがピタリと止まる。
「アズール…ふふっ…ちょ、自分のズボン見てみな」
「はい？いきなりどうしたんですか……
あっ！！！？？？？？」
「ズボンのチャック開いたまんまなんだけど。
マジうけるわ〜」
…あああああああ！！！！！！！！！
先輩のチャックのこと忘れてた…！！？？
思い出した頃には時すでに遅し。
笑いながら写真を撮るフロイド先輩と
今にも泣きそうなアズール先輩。
アズール先輩には申し訳ないけどこの絵面すごく面白い。
今思えばこのズボンのチャックだけで
ここまで壮大な物語になったんだな。
「……Aさん、行きますよ」
咳払いをし、僕の名前を呼ぶ寮長。
慌てて寮長の後ろに着いていく。
寮長のズボンのチャックを戻そうとしたら
寮長とお友達になっていた。
本当によく分からない文面だ。
でも後悔はしてない。
これからの学園生活に少しワクワクしながら
ラウンジへ向かう。
友達の寮長と一緒に。
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如月るむ - 青天の霹靂さん» わー！嬉しいお言葉ありがとうございます〜！タイトルに目をつけてくださるなんて…！更新頑張ります！ (12月7日 0時) (
レス) id: 7f46237843 (このIDを非表示/違反報告)
青天の霹靂 - 既にはちゃめちゃに好きです！笑 タイトルのインパクトの強さが大好きです！お身体にお気をつけて、更新待ってます！ (12月6日 17時) (レス) id: 1bafc3cd7d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：如月るむ | 作成日時：2023年12月6日 2時
