チャック開いてますよ ページ5
作戦その３
目を瞑ってもらっている隙にチャックを戻す作戦
これが一番無難だったのかもしれない。
今度こそ失敗できないので、絶対に成功させる。
「先輩、目を瞑って下さい」
「会話のキャッチボールって知ってます？」
「痛いことはしませんので！」
圧に負けて寮長が渋々目を瞑る。
こう見るとまつ毛長いな。
それにすごく顔がいい。
僕は特に顔が良い訳じゃないし、
寮長のような顔には憧れる。
「僕も暇じゃないんです、早くして下さ…うわ!?」
「わっ!!??」
目の前には目を見開く寮長。
それも凄く至近距離の。
顔に見とれて無意識に近付いてしまったのだろう。
…じゃなくて!!これじゃ僕がただの変態だ。
早く先輩の誤解を解かないと……
「そそそそ、そのっ…！た、他意は無くて…！！
あっごめんなさい…さっきからあんな事してて説得力無いですよね…」
よくよく考えたら怪しまれるような事しかしていない。
二人きりの部屋で口説いたり、
意味もなく抱きついたり…
誘い方だって怪しかった。
今、羽織っているこの上着だって寮長が心配して渡してくれたものだ。あれは嘘だったのに。
本当はちょっと暑いのに。
当の寮長だって黙り込んでしまった。
なんだか申し訳ない気持ちで一杯になる。
「……貴方の気持ちは確かに受け取りました。」
柄にもなく落ち込んでいると、寮長が優しく微笑みかけてくれた。いつもの営業スマイルなんかじゃなくて、もっと優しい笑顔。
何かすれ違いが起きている気もするが、そんなことはどうでもよかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 26人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
如月るむ - 青天の霹靂さん» わー！嬉しいお言葉ありがとうございます〜！タイトルに目をつけてくださるなんて…！更新頑張ります！ (12月7日 0時) (
レス) id: 7f46237843 (このIDを非表示/違反報告)
青天の霹靂 - 既にはちゃめちゃに好きです！笑 タイトルのインパクトの強さが大好きです！お身体にお気をつけて、更新待ってます！ (12月6日 17時) (レス) id: 1bafc3cd7d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：如月るむ | 作成日時：2023年12月6日 2時
