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「ありがとうございました〜またお越し下さいませ」
華とおしゃべりをしていたらいつのまにか時計の針が7時を回っていた
この子と話していると時間なんて忘れちゃうんだよね
『うぅ〜やっぱり外は寒いー』
「雪弱まってる♪︎」
お店の中は暖房がきいてるから暖かいけど
やっぱり1歩外に出れば現実を突きつけられた私であった
少しでも口を開けただけで白い息が出てくる
「今日わゴチになりました!A様♪︎」
『はいはい、お返し期待してるよ華』
「…見て!蝶々!」
『誤魔化し方下手くそw』
_____ポスッ
え?
今誰かに何かを投げられた
首元にポスッと弱々しい音と共に冷たさを感じる
動かず立ったままでいるとまた投げられる
『もぅ誰よ!うっ!』
「ふっ、顔面ヒット」
顔全体に広がる冷たさ
ポロポロと落ちていく雪の間から見えたのは
「よっ、A」
『ちょっと、侑李!』
「なんだよカメムシ」
『はぁ!?なんでカメムシよ』
悪戯な笑みを浮かべる侑李のもとへ走り
仕返しで雪を投げつけた
「亀みたいにとろくて、虫みたいに小さい。
イコール、カメムシ♪︎」
『バカ侑李!!』
「痛い痛い痛い!」
「もぅまたラブラブしないの」
圭人の肩に腕を置きながら嬉しそうに笑っている華
だからラブラブなんてしてないから!
てか圭人まで何その笑い堪えてながらのキモい笑み
侑李の両頬をつまんでいるとハムスターのように広がるほっぺ
『ふふっ、ブサイクw』
「うるしぇえ、はなへよ」
『いや〜だねー』
_____ありがとうございました〜
「あ、2人とも邪魔だよ!」
『え』
お店の入り口あたりにいた私達は、
お店から出てきたお客さんと鉢合わせになる
『あっごめんなさい』
「いえ、大丈夫ですよ」
顔も見ずに頭を下げて言うと、
視界に2人の足元が映る
ブーツを履いた男の人と、
綺麗なベージュのヒールを履いた女の人
あれ、まってこの声…
聞いたことあるような気がするのは気のせい?
『……あのっ』
私が頭をあげた時にはもぅ私に背中を向けて歩いていて
さっき入ってきた人達だった
「なんだよ、知り合いなのか?」
『…いや、違うと思う』
見たことないし、初対面なのに
見たことあるようで会ったこともあるような
「帰るぞ〜」
『うん』
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作者名:葵 | 作成日時:2017年6月13日 21時