マフィアなWESTさん５【JW】

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相手の動きを止めるなら、
次はどこを刺したらいい？


確実なのは首だ、わかってる、
でもそんなことできるはずがない。

だって肩だけでこんなに痛がっているのに、
首なんて…首なんてもっと痛くて
苦しいんじゃないのか。

というか、首を刺したら＿＿
死んでしまうんじゃないのか。


カミちゃんが首を切った相手が、
陸に上がった魚のようにはくはくと酸素を求めて
苦しんでいた様子が不意に思い出された。

それが脳裏から離れなくなってしまった時点で、
俺にはできないと分かってしまった。



俺が躊躇っていると、
痛みでうるんではいるが
明確な殺意をもった相手の瞳と目が合った。


相手は俺からナイフを奪い取り、振り上げる。

容赦なく刃が向けられた先は＿＿俺の首。


“相手は本気でお前のことを殺しに来る”

そう言っていたシゲの言葉を、思い出した。




刺される＿＿！と目をつぶった直後、
顔にびゃっと生暖かい液体が飛び散った。


　
痛みはない。

ゆっくりと目を開ける。



俺の目の前にいる相手の首の中心から、
銀色のナイフが覗いていた。


そして、その後ろにいる＿＿
相手の首にナイフを突き刺していたのは、
シゲだった。

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