マフィアなWESTさん５【JW】

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入るや否や、屈強な男たちが
俺らの腕を掴み後ろに束ねる。

余計な動きをするなよ、という意図やとは思うけど、
一応穏便に済ませるつもりで来てるのに
この対応はなんかムカつくなぁ。



そうして通されたのは、
ガラス張りのテーブルをはさんで
向かい合わせにソファーが置いてある部屋。

ボスの後ろに二人、そして部屋の四方に
四人の部下がボディーガードのように立っている。


赤「あ、どうもよろしくお願いします〜」

『わざわざ足を運んでもらって悪いね』

赤「いえいえそんな」


シゲがソファに座ったのをきっかけに、
部屋の空気がピリッと澄んだ。



……それから、３０分ほど。

地図を広げて、お互いのエリアを
話し合ってるシゲと相手のボス。


今までシゲがこういう場所で話してるのを
見たことなかったけど、
やっぱり凄いねんな、こいつ。


対話の中で、選択肢があるようで
選べない状況にもっていくのが上手い。

さりげなく、それでも確実に
こちらに有利なように条件を譲渡させていて、
相手のボスはおそらくそれに気付いていない。


…ちょっとだけ見直した。

やのに何でジュンタとかハマちゃん相手には
偏差値３になるんやろ…と思ったのは内緒にしとく。



赤「とりあえず、
　 こんな感じでどうでしょう？」

『うん、十分だよ。
　ここを私たちが担当するとなると、
　そちらが少し不利になるが
　それは構わないのか？』

赤「えぇ、そちらの実力を買っているので」

『それじゃあ図々しくも頂こうかな』


そう言って握手を交わす二人。


お、良い感じに終わったんちゃうか…？

と思ったのもつかの間。


相手がボスが人が変わったように乱暴に座り直し、
煙草をふかしながら話し始めた。

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