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ゆっくりと上を見上げると、
いつもの戦闘用でない
きっちりとしたスーツを着たタカヒロ。
右半身にある違和感は、
タカヒロが俺を抱き留めているからだと分かった。
『だ、誰だ！』
紫「おっさん、今何しようとした？
…マスター、ジュンタに何入れた」
ぐだりと気怠い体に低い声が響く。
そこにいつもの柔らかさはなくて、
「あぁ、怒ってるなぁ」なんて
他人事のように思った。
バーのマスターはうろたえながら、
ターゲットである相手方に助けを求めているようだ。
揺れる瞳から
「こんな展開は聞いてないぞ」という
焦りが手に取るようにうかがえる。
紫「何入れたって、なぁ。聞いてんねん」
タカヒロがマスターの顎をぐっと掴んだ。
そのままぐぐぐ…と腕の力を強める。
驚きで声が出せないのか、
痛みで声が出ないのか…。
おそらく両方だろう。
マスターはだんだんと苦しそうに涙目になる。
紫「…分かる？ここ。
ゴリゴリ音鳴ってるやろ。
これなぁ、顎の関節やねん」
ゆっくりと丁寧にそう説明し、
腕の力をさらに強める。
相手の顔が痛みで歪むのがわかった。
紫「結構外すん簡単やねんで、
ちょっとコツがいるけど。
…それ以上に、砕くほうがもっと簡単」
冷たい口調で淡々と話すその顔からは、
感情が一切読み取れなかった。
この男ならやりかねない、
何をするにもためらいを持たないだろう。
そう思わせるほど冷酷で人間味がなかった。
紫「もう一回聞くで。
…何入れた？」
『…パンクロニウム……っ』
紫「はい、ありがと」
これで解放される＿＿と
マスターのほっとした顔が見えたのもつかの間、
ゴキッと鈍い音がしてその場に崩れ落ちる。
どっちにしろ顎砕くつもりやったんかい、と
力なく脳内でツッコんだ。
紫「なぁ、おっさん」
『ひっ……』
標的が自分に移ったと怯えるターゲットは、
おおげさとも言えるほどに震えあがり
椅子から落ちた。
紫「そんなびびらんといてぇや、何もせんって。
＿＿今は。
次の取引、楽しみにしといてや」
タカヒロ、それは死刑宣告やで。
そこまでせんでええよ、
と緩く俺の肩を抱く手を握った。
ターゲットは泣きながら、
ひたすらごめんなさいと謝っていた。
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梅子(プロフ) - scsh1001さん» はじめまして〜！わ、ほんとですか！シリーズ多かっただろうにありがとうございます、嬉しいです（ ; ; ）これからも楽しんでいただけるよう頑張ります^ ^ (2021年4月1日 19時) (
レス) id: 1126aa449b (このIDを非表示/違反報告)
梅子(プロフ) - れおりんさん» 凄く嬉しいですありがとうございます〜（ ; ; ）これからも楽しんでいただけるよう頑張ります...！ (2021年4月1日 19時) (レス) id: 1126aa449b (このIDを非表示/違反報告)
scsh1001(プロフ) - はじめまして！とてもお話が面白くて一気読みしてしまいました！続き楽しみにしています！更新大変かと思いますが頑張って下さい！ (2021年4月1日 10時) (レス) id: 48562dc31e (このIDを非表示/違反報告)
れおりん - どんなお話も面白くてちょっと泣けてマジで大好きです！これからも更新大変かと思いますが頑張ってください！ (2021年3月29日 22時) (レス) id: b4d44b9c7b (このIDを非表示/違反報告)
Shimika(プロフ) - 梅子さん» 大変失礼致しました…！！！ご無礼申し訳ありません！これからも更新楽しみにしておりますm(__)m (2021年3月25日 13時) (レス) id: 178cde93d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：梅子
| 作成日時：2020年12月17日 15時
