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青「__っ、シゲ」

赤「分かってる」

青「相手にしたら負けやぞ」

赤「分かってるって」

青「穏便にって言われてたやろ」

赤「うん」

青「…ほんまに分かってるん」

赤「うん」

青「……1+1は?」

赤「うん」


あ〜…これもう何言っても聞こえてへんな。

カミちゃんごめん、俺には止めれませんでした。


…かといって、ここでシゲが
やりたいようにさせるわけにもいかない。

なんせ人数や状況、
どれをとってもこちらが圧倒的に不利で、
勝ち目がないことくらい俺でもわかる。


何とかしてこの場をやり過ごす…
ううん、シゲの中で燃える怒りを
鎮めなければいけない。



青「シゲ、」

赤「なに」

青「___はい」


遠くの方を見つめるシゲに、手を差し出した。

は?と低い声を出し、
イラっとした表情で俺を見る。


青「___折る?」


俺がそう言うと、シゲはきょとんと目を丸くした。


青「それで気が済むなら、何本でも。
  ちなみに左薬指と小指は
  以前折られたことあるから折りやすいと思う」
 

指が折れる痛みくらいじゃ俺は何も感じないし、
骨折くらいジュンタの腕にかかれば
どうってことない。

俺の指数本で無駄な血を流さずに済むのなら、
それでいい。

…というか、それが最善だ。


冗談じゃなくって本気の提案だったにもかかわらず、
シゲはしばらくして困ったように眉を下げて笑った。


赤「…はは(笑)お前、ほんまアホやなぁ」

青「本気やねんけど」

赤「…うん」


シゲは、ふーっと大きく深呼吸をして、
「大丈夫、分かってる」と自分に向かって呟く。


赤「ごめんな、リュウセイ。
  …もう大丈夫やから」


そう言ったシゲの瞳はちゃんと俺を映していて、
いつものように柔らかかった。

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梅子(プロフ) - scsh1001さん» はじめまして〜!わ、ほんとですか!シリーズ多かっただろうにありがとうございます、嬉しいです( ; ; )これからも楽しんでいただけるよう頑張ります^ ^ (2021年4月1日 19時) (レス) id: 1126aa449b (このIDを非表示/違反報告)
梅子(プロフ) - れおりんさん» 凄く嬉しいですありがとうございます〜( ; ; )これからも楽しんでいただけるよう頑張ります...! (2021年4月1日 19時) (レス) id: 1126aa449b (このIDを非表示/違反報告)
scsh1001(プロフ) - はじめまして!とてもお話が面白くて一気読みしてしまいました!続き楽しみにしています!更新大変かと思いますが頑張って下さい! (2021年4月1日 10時) (レス) id: 48562dc31e (このIDを非表示/違反報告)
れおりん - どんなお話も面白くてちょっと泣けてマジで大好きです!これからも更新大変かと思いますが頑張ってください! (2021年3月29日 22時) (レス) id: b4d44b9c7b (このIDを非表示/違反報告)
Shimika(プロフ) - 梅子さん» 大変失礼致しました…!!!ご無礼申し訳ありません!これからも更新楽しみにしておりますm(__)m (2021年3月25日 13時) (レス) id: 178cde93d5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:梅子 | 作成日時:2020年12月17日 15時

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