マフィアなWESTさん５【JW】

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そして、案の定
カミちゃんが言った通り。

話し合いの場で相手のボスが
葉巻を灰皿に3回押し付けたのを合図に、
銃弾がシゲの左腕をかすめた。


赤「っ゛、リュウセイ十時の方向！」

青「了解」


シゲを撃った敵はリュウセイに頭を撃ち抜かれ、
背後から来た敵はハマちゃんに首を折られ、
隣から襲い掛かってきた敵は
カミちゃんに首を切られ＿＿＿


俺は、ただただその様子を呆然と見ていた。


さっきハマちゃんが首を折った相手は
もうピクリとも動かない。

カミちゃんが首を切った相手は
ヒューヒューと気道から漏れる空気を
どうすることもできずに苦しんでいる。


…え、まって、え、

これは、この二人はもう助からへんの？

３０秒も経たないうちに、人が二人死んだん？

え、ていうか、人の命って
こんな簡単に消えてしまうもんなん？



橙「っ、こっち人足りへん！誰か来て！」


アキトのその声を聞いたカミちゃんが、
敵が周囲にいないのを確かめてから
俺をチラリと見て顔を歪めた。


緑「ごめんノンちゃん、俺応援に行かないと。
　 ここのアジトはみんな戦闘慣れしてへんし、
　 銃を使える人も少ない…けど、」


苦しそうに一呼吸置いて、
カミちゃんは俺のナイフを握る手をぎゅっと掴む。


緑「安全とは言い切られへん、ごめん。
　 …ノンちゃん、無事でおって。
　 いい？守るんやで、自分のこと」


＿＿守る、自分のことを。

それは、今俺が手にしているナイフで
誰かを傷つけるということ。


そのことをちゃんと理解できているのか、
自分でもわからなかった。

けれど、今にもアキトのもとへ
駆けつけたいであろうカミちゃんを前に、
ただただ頷くしかできなかった。

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