マフィアなWESTさん【JW】

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―ダイキSide―

　


　
赤「リュウセイ！！」


リュウセイが振り返った先には、
ナイフを振り上げた敵。


くそ、気づかんかった。

殺気を消すのが上手い、多分相当手練れ。


リュウセイが今持ってるピースメーカーは
シングルアクションで、
一度ハンマーを上げなければ発砲できない。

多分、リュウセイが撃つより先に
相手のナイフが先に届く。


どうしたら、

なにか、できること、


　

　


グサッ＿＿＿


鈍い音と同時に、滴り落ちる赤い液体。


ナイフは、リュウセイの左腕に刺さった。

いや、刺さった、というより、刺されにいった、
というほうが近いかもしれない。


あ、と思ったと同時に
リュウセイが相手を蹴り上げる。

その隙に片手で銃のハンマーを上げて、発砲。

綺麗におでこに命中して、
相手はピクピク体を痙攣させたのち、
動かなくなった。


　

　
　



　
青「いってー……」


そりゃそうやろ。腕刺されてんねんから。


赤「お前、さぁ……
　 もうちょい他にやり方あるやろ」


呆れたため息を吐きながら、リュウセイに近づく。


青「変に避けるより、
　 敢えて刺して動きとめるほうがいいと思ってん。
　 俺、接近戦苦手やし」


そう言いながら左腕に刺さったナイフを
プシュッと引き抜くリュウセイ。


青「あ、シゲこれ使ったら。武器」


リュウセイがずい、と手渡してきたのは、
さっきまで自分の腕に刺さっていたナイフ。

リュウセイの血がべっとりとついている。


…こいつ、ほんまこういうとこあるよな。


しぶしぶ受け取る。

確かに丁寧に研がれていて、切れ味は良さそうだ。



赤「お前、もうちょい体大切にしろよ」

青「んー？うん」


多分、伝わってないな。

“死にたくない”という
ごく自然な感情を持たないリュウセイは、
ものすごく痛みに鈍い。

だからこういう戦い方を
躊躇なくできるんやろうけど。


赤「はーっ、お前まじで心配やわぁ。
　 一生遠距離から攻撃しといてくれ」

青「ふはは、安心して、
　 俺も疲れるから
　 接近戦はもうこりごりやわ」


ほんま、頼むで。

死ぬなよって、こっちのセリフやわ、ぼけ。

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