マフィアなWESTさん【JW】

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―トモヒロSide―



　

振りかぶってくる相手の拳を下によけて
懐に入り込む。

焦った顔で俺を覗き込む相手とわざと目を合わせて、
心臓にナイフを押し込む。


もたもた銃を構えてる相手に素早く近づいて、
くるりと背後をとり首にナイフを突きつける。

ヒッと相手ののどが鳴るのを聞いてから、
スパッと振り下ろす。

　

　


やっぱり、接近戦は楽しい。

いつも援護に回ることが多いけれど
一瞬の状況判断や動きが命取りになるドキドキ感は、
接近戦でしか味わえない。

なにより、
自分の手で命を絶つ感覚を味わえるのは
ナイフならでは。

肉に刃が食い込む感触も、
生暖かい血の温度も心地いい。

自分の口元が自然と緩んでいくのがわかった。


　



「…みちゃん！カミちゃん！」


名前を呼ばれて、我に返る。

声の方を向くと、アキトがいた。


緑「アキト！？っていうかその銃どうしたん！」

橙「後で説明する！俺も援護するわ。
　 これ任せていい？」


返事をする前に、アキトから投げ渡された
ずっしりと重い銃。


…これリュウセイのスナイパーライフルやん。


アキトを見ると、
もうすでにスイッチが入っていて
相手に殴りかかっている。



ふうっと軽くため息をついて
見晴らしのいい場所へ移動する。


もう少しだけ楽しみたかったけど、
仕方ないな。


気配を消してスコープを覗き、
引き金を引いた。

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