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カタルシス ページ27

*拷問の描写がございます。
苦手な方はご注意ください。

1話を読み飛ばしても、
話に差し支えないようになっております。

苦手な方はこちらからどうぞ。
2話




 




 



薄暗い部屋の中に、血の匂いが充満している。

聞こえるのは、椅子に座って眠っている
相手のヒューヒューとした息遣い。

おそらく鼻に血が詰まって
上手く息ができないのだろう。



男がぐったりうなだれてる
相手の頭をつかんで上にあげる。

殴られて半分も開いてない目からは、
またとてつもなく長くて苦しい時間が
始まったことに対する絶望の色が見えた。


紫「おはよう」


その言葉に対する返答はなく、
プルプルと体を震わせている。


紫「そんなに怖がらんといてぇな。
  はよ家帰りたい?
  そうやんなぁ、こんな暗くて
  血生臭いとこいたくないもんなぁ」


細身の男はなにやら相手に話しかけながら、
カチャカチャと手元にある器具を触っている。

口調は優しいが、
声には一切感情がこもっていない。


紫「俺かて嫌やもん、こんなとこおるの」


そういって一つの器具を手にとり
拘束されている相手に近づく。

どうやらどういう苦痛を与えるか決めたようだ。


紫「やからさ、できるだけ早く終わらせたいんよ」


そういいながら相手の指先に器具をはめた。

顔を相手ギリギリまで近づけ、にっこりと笑う。


紫「協力してくれるやんな?」


ほほ笑みながら、ゆっくりと爪をはがす。

相手は痛みのあまり、声も出ていない。



紫「あれー?
  今からそんなに痛がってたらあかんやぁん」


途端に声色が明るくなる。

ピエロのようで、底知れない恐ろしさを感じる。


紫「なぁ、自分指何本あんの?」


苦痛に耐えている相手の頬をつかむ。


紫「何本?」

『……10』

紫「やんなぁーっ。あと9本も残ってるやん!
  よかったなぁ、まだまだ楽しめるで」


ガチガチと震える相手をよそに、
楽しそうにニコニコと笑う。


紫「爪はがし終わったあとは、
  指一本一本砕いていこか。
  その前に剥がした部分に針刺していこか?」


そう言いながら部屋の中を歩き回る。


突然、なにかを思い出したかのように
動きを止めた。



紫「あっ危ない危ない、
  俺アホやから忘れてたわぁ」


そういって相手にくるりと向き合う。


紫「…指って、足にもついてること」


相手ののどがヒッと鳴った。


紫「…今日は楽しい日になりそうやなぁ?」

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(プロフ) - 8uppers、WESTバージョンって感じですごく感動しました!藤井流星くんと小瀧くんの手が汚れてる話とかアーセナルに重なってすごくグッと来ました..... (2021年8月31日 15時) (レス) id: c4af2e4959 (このIDを非表示/違反報告)
梅子(プロフ) - 陽名さん» 陽名さん、ありがとうございます。嬉しいです♪ (2020年5月5日 15時) (レス) id: 6cf0795d13 (このIDを非表示/違反報告)
陽名(プロフ) - 面白いです!更新楽しみにしてます! (2020年5月5日 14時) (レス) id: 2beb15fdef (このIDを非表示/違反報告)
梅子(プロフ) - 未来さん» 未来さん、ありがとうございます。ノンちゃんの成長、これからも見守ってください♪ (2020年5月4日 12時) (レス) id: 6cf0795d13 (このIDを非表示/違反報告)
未来(プロフ) - のんちゃんが頼もしくなってきた!先が楽しみですー! (2020年5月3日 16時) (レス) id: 8bbaf315cc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:梅子 | 作成日時:2020年4月18日 6時

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