#独占禁止法

我慢の限界 ページ42

ぎゅーーーーーーと、


苦しいくらいにこれでもかってくらいに、


抱きしめられる。





『もう、限界や…』



ぼそっと聞こえてきた小瀧くんの声。



抱きしめられたドキドキで


小瀧くんの言ってることが全く理解できない。



『先輩、俺、先輩のタイプの男になろうと思って、かっこ良くなりたくて、大人な男になりたくて、自立した男になろうおもて、頑張ってみたけど、無理やった。毎日に先輩が足らへん。もう、我慢の限界。先輩不足で死にそう。先輩が好き過ぎて苦しい。』


そう言って、私を抱きしめるのをやめて

本当につらそうに儚く笑う。



………素直にならなきゃだめだ。


直感的に、いや本能的にそう思った。




『私どっちかって言うと、挨拶は元気にしてくれる人のほうが好きだし、本とか読む堅苦しい人より、ヘラヘラしてる人のほうがタイプ。
コーヒーは、甘すぎるくらいのを飲んでる男の人にキュンとするし、しつこいくらい毎日一緒に居たがるひとのほうが、私も一緒にいたいって思える。つまり……』



そう、つまり私は……。



『私は、小瀧くんが好き。』

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