Believer... (ページ19)

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シゲ「俺、昔は関西に住んでてん。」

あぁ。だから関西弁なんだ。なんて妙に納得した。

シゲ「おとんは俺が産まれる前に死んで居らんくて、おかんが女手一つで頑張って育ててくれてん。頑張ってくれてたんは分かっててんけど、いつも家に居らんくて。飯も小さい頃に1回卵焼き作ってくれただけで、あとはパンが置かれてる毎日やった。そんなある日、おかんが珍しく家に居ると思ったら知らんおじさんも居って。そこで再婚するって聞かされたんよ。おかんが幸せなれる思ったら嬉しかってん。そのおじさんの会社がこっちにあるからって引っ越して来たんやけど生活していくうちに、おかんが俺に対して冷たくなってったん。昔からあんたが邪魔やったって言われた時はほんまにキツかったわぁ。」

そこでしげが深く、深く、深呼吸をした。

シゲ「テスト頑張ったり、スポーツも頑張ったりしたんやけど全部ムダやったんやなぁ思ってん。

それから付き合う女も全部信じられんくて結局離れていきよんねん。」

フッと自嘲的に笑ってから上を向いたしげ。
こうやって我慢してきたのかな。

気付いたら過去も全部受け止めるようにしげを抱きしめていた。

シゲ「なんやねん。」

ってまた我慢しようとするから

「もう泣いていいよ。しげはよく頑張ったね」

って言うと、しげは、今まで無理やり封をしてパンパンになっていたものが一気に溢れ出すかのように泣き始めた。

シゲ「なんっやっねんっ。俺はっ子っどもかっっ。」

そう言って泣き続けた。