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「――Aさんって、いつから晋助様と一緒にいるんスか？」
――それは、なんということもないある日のこと。
本日も仕事があるらしい晋助が早朝から部屋を空けているのをいいことにこっそり船内の掃除に勤しんでいた私は、丁度通りかかったまた子ちゃんと休憩がてら少し話をしていた。その中で不意に投げられた言葉に、一時思考が停止する。
いつから、晋助と。
私はゆっくり彼女の言葉を咀嚼しながら首をかしげて。
「どうしてそんなことを？」
「いや、なんとなく。…スミマセンもしアレなら全然いいんスけど、」
「あ、いいの。ちょっと気になっただけで。私と晋助は、結構長い付き合いだよ」
それこそ寺子屋の頃からの、と付け足せばまた子ちゃんはほっとしたような様子を見せたのち、納得したように頷いた。
「だからあんなに仲がいいんスすね」
「……仲が？」
「なんていうか――お互いそこがピッタリ、っていうか」
まるでパズルのピースのように、私と晋助はピタリとはまる。と、彼女は言う。
そうなのかなと苦笑いで首を傾げれば、「そうなんスってば！」なんて声が私へ向いた。
「ふたりを見てると、ふたりともあるべきところに収まってるんだなって思う時があるッス」
「ふふ、あるべきところ？」
「そうッスよ。――悪く言えば、どちらかが欠けたらもう片方もどうにかなってしまいそうというか…」
と、そこで「あ、別に他意はないッスからね！？」と慌てるように弁解するまた子ちゃん。私はその姿に少々笑ったのち、静かに笑みを浮かべた。
「また子ちゃんもそう思う？」
目の前で少しだけ驚いたような顔をする彼女。「も？」きょとんとしたそれへ微笑んで「も」と返した。
「だってきっと、その通りだから」
きっと、私は晋助がいないとだめになってしまう。きっと、晋助だってそう。
そうでなければ、今私たちが共にいる意味がわからない。
「……縛らないくせに、手放せないの」
「はい？」
「縛られていないくせに、勝手に縛られた気になっているの」
理解しきれていない様子を見せるまた子ちゃんへ私は無言で笑みを向ける。多分私はその言葉への返答を求めていないから。
「そろそろ掃除に戻るね」なんて伸びをして。
「私はよくわかんないッスけど…ふたりは、お似合いですよ」
最後に聞こえたその言葉には、曖昧な笑みだけを返したのだった。
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いたる(プロフ) - 最高に面白いです！文章もすらすら読めるし銀魂のキャラクターがめっちゃいきいきしてて、すごく読みやすかったです！ (2022年3月19日 18時) (
レス) @page35 id: 2538ecda96 (このIDを非表示/違反報告)
中村(プロフ) - 笑子さん» 私の方こそコメント通知を発見した時の私の喜び！って感じです(;_;) 亀更新で好き勝手書き散らかしてますがそんな風に言っていただけて本当に幸せです。笑子さんのことを笑顔にできるようなお話めざして精進します…！笑子さんもお身体にはお気をつけくださいね！ (2021年4月27日 12時) (レス) id: 662e82697c (このIDを非表示/違反報告)
笑子(プロフ) - 更新通知を発見したときの我々読者の喜び…！！いやほんと、下の方も言っていますけど泣きそうでした。中村さんの書く銀魂ワールドが大好きです。また更新を待ちながら過ごすことが出来ると思うと、本当に嬉しいです。色々と大変なご時世ですので、お体ご自愛ください。 (2021年4月3日 15時) (レス) id: c15918936c (このIDを非表示/違反報告)
なかむら(プロフ) - ろあさん» 作品ページ拝見して(きもくてすみません汗)気づいたのですが、お名前変えられたのですね!! 覚えて頂けていて、またお会いできて本当に嬉しいです。1番なんて恐れ多いですが…でもそう思って頂けてとっても幸せです。ろあさんもご自愛くださいね！ありがとうございます！ (2021年3月5日 12時) (レス) id: cefa07e7cb (このIDを非表示/違反報告)
ろあ(プロフ) - 久しぶりに占ツク開いたら更新通知が来てて泣きそうになりました、、！中村さんの銀魂小説が1番大好きです！同じ話を何回も何回も読み直してます ！某ウイルスや寒暖差に気をつけて、リアルの方も大変かと思いますが応援してます！ (2021年3月4日 12時) (レス) id: 00e13ca19d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：中村
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nakamura_/
作成日時：2017年12月30日 18時
