【銀魂】有為の奥山今日越えて【高杉晋助】

思いつきもしなかった ページ47

(――あぁ、なんというか。)




････少しは、認めてもらえていたんだろうか。もしかして。

ゆっくり浮上していく気持ちに、私は瞼を伏せた。


暗闇に慣れたのか、視界には庭の地面が映る。･･･血だまりは、もう視界に入らない。




「――――高杉さん」



そう呼びかけながら伏せた瞼をゆっくりと開いた。ぱちりと視線がぶつかり合い、彼の瞳が私を写し。



････――どくり、と。

･･何故だか、心の臓がそんな音をたてた。････本当、何故だかわからないけれど。



(――まぁ、今はそれよりも。)


ゆるりと口角が上がってしまっている唇を開いて。




「･･――私は以前、貴方についていくと申しましたね」


「そうだな」


「････それに付け足します。――私は貴方についていくことに、幸せを見出してしまった」




･･それは。




「･･･貴方のためならば、死ねます。･･けれど、貴方についていきたから。


――できる限りは死にたくありません」




――きっと、少し前ならば口にする以前に思いつきもしなかった台詞。･･･すらすらと発せるくらいには、私も成長したということだろうか。


私の言葉を聞いた高杉さんは、先程と同じようにふっと笑い。

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