【銀魂】有為の奥山今日越えて【高杉晋助】

今更見栄を張ることでもない ページ5

「――別になんてことありませんよ。･･ただ」


「･･･ただ？」


「接待をして頂きたいだけです」




――接待？

･･･接待とはつまり、誰かをもてなすことで。



「･････どなたを、でしょう」



少し眉根を寄せて言うと、武市さんは「決まっているでしょう」なんて肩をすくめた。




「――春雨上層部の、･･所謂お偉いさんですよ」


「･･･そんな方に、私が接待を？」


「まずは春雨に取り入るところから始めないといけませんからねぇ。鬼兵隊できちんとした接待が出来そうなのは貴方くらいですし」




相手は狸爺ですからね、容姿が良いに越したことはありません、と。

･･･そうは言っても。




「でも、他にもお綺麗な方なんて沢山いらっしゃいますし･･。来島さんなんかもお綺麗です」


「駄目ですよ、いくら女性の皮を被っていようとあれは本性が猪ですからね。化けの皮が剥がれて相手に下手な怪我でも負わせたら面倒なことになります」




･･取り敢えず、このことは来島さんには黙っておこう。･･･彼女にこんな言動が知れた日には武市さんを狙った弾によって船に無数の穴があいてしまうかもしれない。


(･･――と、いうか。)




「･････でも、裏を返せばそれは私に鬼兵隊の命運がかかっているということになりますよね･･？」


「どうとるかは貴方次第ですよ。それにほかの人に任せたほうが頼りないでしょう」


「･･何故ですか？」


「深津さん、貴方はこの鬼兵隊の中で弱いですね？」




確認をとるように尋ねられた。･･確かに、私はきっと鬼兵隊の中ではかなり弱い方だろう。

今更嘘をついたり見栄を張るようなことではないから、こくりと頷く。･･すると。

ここでくらいは→←錆びた鉄の

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