【銀魂】有為の奥山今日越えて【高杉晋助】

図々しいかもしれないけれど ページ21

「･･･俺の企みを知り得ていたかった、と？」


「･･はい」



図々しいかもしれないけれど、それは本心だ。――だってそんな計画が背後で渦巻いていただなんて知らなかった。

･･ほんの少し、仄めかすくらいでもいいから知らせていてほしかったのだ。･･けれど。







「――無理な話だ」



高杉さんはいつも通り煙をふぅと吐き出すきりで。

･･ゆるりと目の前を通り過ぎていく白を目で追う。鼻をくすぐるのはここ最近漸く噎せなくなってきたその匂い。――混乱する頭をなんとか冴えさせたのち。



「･･――それは、何故でしょう」



なんとか一つの疑問を吐き出した。




(･･･だって、私も、)

･･私も、ここ数ヶ月は馬鹿みたいにがむしゃらに頑張っていたんだもの。彼から認めてもらおうとして、心の底から。


だから信頼するに足り得ないとは考えたくない。ここのところの全てを無意味だったと言われてしまっているようで。



けれど。




「･･てめェは、そこまで使えねェだろ」



――涼しい顔をした彼から発されたのは、そんな台詞。

“認められていない”ことを少しは認められたような気でいた私に知らしめる、それ。



頭を殴られたかのような衝撃だなんて言葉じゃ形容できないほどのショックは体を走り、胸の奥にぐさりと刺さった。･･そして。




(･････あぁ、私は。)


「････そう、でしたか」







――――――認められていなかったのか、彼に。


馬鹿すぎる己に、思わず自嘲が零れたのだった。

“認めてもらう”→←つまるところ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す